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Lancet誌から
アレルギー性鼻炎があると成人喘息のリスクは3.5倍
3つ以上のアレルゲン感作があると5.8倍

 アレルギー性鼻炎の患者は、成人後に喘息を新規発症するリスクが3.53倍になることが、フランスINSERMのRafea Shaaban氏らの研究で示された。詳細はLancet誌2008年9月20日号に報告された。

 小児と成人の喘息罹患率は、20世紀後半に大きく上昇した。罹患率は先進国で特に高い。喘息の危険因子を同定し、それらを管理すれば、喘息の発症を予防できると期待される。

 やはり近年罹患率が上昇しているアレルギー性鼻炎は、しばしば喘息と共存するとともに、これら2疾患の危険因子には共通するものが多い。喘息とアレルギー性鼻炎の間の密接な関係を報告した疫学研究や臨床研究は複数あるが、成人を対象に、鼻炎が喘息の危険因子かどうかを調べた長期的な研究はほとんどなかった。

 著者らは、国際的な集団ベースの研究European Community Respiratory Health Survey(ECRHS IとECRHS II)の追跡データを用いて、喘息の新規発症と、ベースラインのアレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎の関係を調べた。

 集団ベースの研究は、西欧を中心とする14カ国29医療機関で行われた。

 ECRHS Iは1991~1993年に20~44歳の成人を登録、郵送で質問票を送付し、回答した人々に受診を依頼して、IgE測定用血液標本を採取するとともに、皮膚プリックテスト、肺機能検査、気道過敏性テストなどを実施した。

 その後を追跡したECRHS IIは、1998~2002年に行われた。ECRHS 1の参加者に受診を促し、質問票への回答を依頼、各種検査も実施した。

 喘息発症は、2回の調査の間に医師から喘息と告げられた場合とした。

 アトピーは、皮膚プリックテストにおいて、ダニ、ネコ、アルテルナリア属のカビ、クラドスポリウム属のカビ、シラカバ、オオアワガエリ、ヒカゲミズ、オリーブ、ブタクサのなかの1つ以上に反応した場合と定義。

 喘息様の症状は、過去12カ月間の喘鳴、安静時の息切れ、夜間の息切れとした。

 アレルギー性鼻炎は、花粉やホコリに曝露すると鼻炎が起こるという認識があり、皮膚プリックテストが陽性の場合。非アレルギー性鼻炎は、症状があっても皮膚プリックテストは陰性の場合とした。

 1万827人がベースラインで一連の検査を完了しており、うち7326人(67.4%)が追跡研究に参加していた。ベースラインで喘息でなく、すべてのデータがそろっていた6461人について、その後の喘息罹患の有無を調べた。

 このうち29.7%が、1つ以上のアレルゲンに感作されていた。ダニに反応した人が最も多く(15.0%)、2番目はオオアワガエリだった(13.5%)。

 ベースラインで被験者を以下の4群に分けた。対照群(アトピーなし、鼻炎なし、3163人)、アトピーのみ(鼻炎なし、704人)、非アレルギー性鼻炎(アトピーなし、1377人)、アレルギー性鼻炎(アトピーあり、鼻炎あり、1217人)。

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