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Lancet誌から
n-3系多価不飽和脂肪酸は心不全患者の死亡率をわずかに低下させる
GISSI-HF試験の結果(その1)

 n-3系多価不飽和脂肪酸PUFA)が、不整脈を含むアテローム性心血管疾患に好ましい影響を与えるとする報告がある。では、果たして心不全患者の全死因死亡や心血管イベントによる入院を抑制できるのだろうか――。

 イタリアで、広範な症候性心不全患者を対象に行われた無作為化試験GISSI-HFの結果、標準的な心不全治療を受けている患者において、n-3系PUFAはわずかではあるが有意な利益をもたらすことが明らかになった。詳細は、Lancet誌電子版に2008年8月31日に報告された。

 著者らが先に行ったGISSI-Prevenzione試験は、心筋梗塞後にn-3系PUFAを投与すると患者の死亡率が下がることを示した。死亡率の低下は主に心臓突然死の減少に起因していた。一方、心不全患者に対するn-3系PUFAの効果については、これまで、大規模研究による評価が行われていなかった。

 そこで著者らは、GISSI-Prevenzione試験のデータを利用して大規模な二重盲検のプラセボ対照無作為化試験GISSI-HFを設計、イタリア全土で行うことにした。

 2002年8月6日から2005年2月28日までに、イタリア国内の326カ所の心臓専門医療機関と31カ所の内科医療機関において、18歳以上で、NYHAクラスII-IVの慢性心不全(心不全の原因と左室駆出分画測定結果を問わない)の患者を登録した。

 これらの患者を、無作為にn-3系PUFA 1g/日群(3529人)または偽薬群(3517人)に割り付けた。n-3系PUFA1gには、エイコサペンタエン酸エチルエステルとドコサヘキサエン酸エチルエステルが1:1.2の割合で含まれていた。

 著者らはこの研究と並行して、同じ集団にロスバスタチン10mg/日の効果を偽薬と比較する研究も行った(GISSI-HF試験の結果その2参照)。結果的には、スタチンとn-3系PUFAの間に交互作用は見られなかった。

 登録患者全員に、慢性心不全に有効が示されている薬剤(アンジオテンシン変換酵素〔ACE〕阻害薬、β遮断薬、利尿薬、ジギタリス、スピロノラクトンなど)を用いた標準的な治療が行われた。

 主要エンドポイントは全死因死亡と、全死因死亡または心血管イベントによる入院に設定。2次エンドポイントは心血管死亡、心血管死亡またはあらゆる原因による入院、心臓突然死、あらゆる原因による入院、心血管イベントによる入院、心筋梗塞、脳卒中とした。分析はintention-to-treatで行った。

 追跡は2008年3月31日まで行われた。追跡期間の中央値は3.9年。適切な同意を得ていなかった患者が介入群に35人、対照群に36人存在していたため、これらを除く3494人(平均年齢67歳、女性が22.2%)と3481人(67歳、21.2%)を分析対象とした。

 

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