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Lancet誌から
高齢者のメタボと心血管疾患リスクはほぼ無関係
2型糖尿病リスクは有意に上昇

 高齢者におけるメタボリックシンドロームの存在は、2型糖尿病リスクを有意に上昇させるが、心血管疾患リスクとはほぼ無関係であることが明らかになった。英Glasgow大学のNaveed Sattar氏らがLancet誌2008年6月7日号に報告した。

 メタボリックシンドロームの診断が、心血管リスクまたは糖尿病リスクをどの程度予測できるのかについては議論がある。著者らは、メタボリックシンドロームの診断基準(今回はNCEP-ATPIII基準)と、それを構成する個々の項目が、高齢者の心血管疾患と2型糖尿病のリスクにどの程度関係するかを調べるため、2件の前向き試験、PROSPER(Prospective Study of Pravastatin in the Elderly at Risk)とBRHS(British Regional Heart Study)のデータを分析した。

 PROSPERは、1997年12月から1999年5月までに2万3770人をスクリーニングし、心血管疾患(冠疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患)の既往があるか、または喫煙、高血圧、糖尿病で心血管リスクが高いと判断された70~82歳の男女5804人を登録した。追跡期間の中央値は3.2年だった。

 今回分析対象となったのは、ベースラインで糖尿病の既往があった760人と、情報が十分でなかった232人を除いた4812人。3.2年間に、772人が心血管疾患を、287人(うち78人はベースラインで血管疾患があった)が糖尿病を発症していた。

 ベースラインで発症者とそうでない人々の間に有意差があった患者特性を探した。心血管疾患では、発症群の方がより高齢で、男性、HDL-cは低く、血管疾患既往者が有意に多かった。BMIと空腹時血糖、トリグリセリド値には差はなかった。

 糖尿病では、発症者の方が空腹時血糖が有意に高く、BMIとトリグリセリドが高く、収縮期圧が高く、HLD-cは低かった。血管疾患既往には差はなかった。

 またBRHSは、1978~1980年に英国内24都市で40~59歳の男性7735人を登録した研究。1998~2000年に60~79歳になっていた生存者を20年目の追跡検診に招待、これに応じた4252人に心血管疾患と糖尿病の既往について質問するとともに、各種検査を行った。今回用いたデータは、その時点から2006年6月までの約7年に得られたものだ。

 BRHSでは、糖尿病既往者482人と心血管疾患既往者857人、データが不完全な176人を除いた2737人について分析した。7年間に、327人が冠疾患(心筋梗塞、狭心症。冠疾患死亡)、440人が心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、脳卒中、心血管死亡)、105人が2型糖尿病を発症していた。

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