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Lancet誌から
早期強化インスリン療法はやはり有用
約半数の患者が1年後も寛解維持

 血糖降下治療歴のない新規に2型糖尿病と診断された患者に、一過性の強力なインスリン治療(持続的インスリン皮下注入法CSII、または、インスリンの複数回注射:MDI)を適用した多施設無作為化並行群間試験で、強化インスリン療法の有用性が示された。速やかな血糖正常化が見られ、約半数の患者で薬物療法なしの良好な血糖管理が1年以上持続したという。中国中山大学のJianping Weng氏らの報告で、詳細はLancet誌2008年5月24日号に掲載された。

 先に英国で行われた前向き研究で、2型糖尿病患者のβ細胞の機能は、ライフスタイルや薬物療法にかかわらず徐々に悪化していくと報告されている。そのためβ細胞の機能の維持または向上を目指す治療の必要性は非常に高い。これまでにも、新規診断2型糖尿病患者にインスリンを用いた強力な治療を短期間行うと、β細胞の機能が改善して、食事療法のみで正常血糖を維持できる状態が続く可能性が示されていた。

 著者らは、この効果をもたらすのはインスリン自体なのか、それとも血糖管理の向上により高血糖の毒性がなくなることが原因なのかに興味を持った。そこで今回の試験は、2通りの強化インスリン療法を適用する患者群に加えて、経口糖尿病治療薬による強力な治療で寛解を目指すグループも設定し、新規診断患者のβ細胞の機能と血糖正常化に与える影響の評価を目指した。

 WHOの診断基準に基づき新規発症糖尿病と診断され、血糖降下治療歴がない25~70歳の患者(空腹時血糖値は126mg/dL -300.5mg/dL)を対象とし、中国国内の9医療機関で2004年9月から2006年10月までに410人を登録。無作為にCSII、MDI、経口薬のいずれかに割り付けた。

 割り付けられた治療を受けた患者の合計は382人(CSII群137人、MDI群124人、経口薬群121人)。患者の平均年齢は51歳、BMIが25.0、空腹時血糖値は201.6mg/dLだった。試験を完了したのは、それぞれ124人、113人、94人だった。

 CSIIでは、ヒトインスリンをポンプを使って持続的注入、当初の用量は0.4~0.5IU/kgとし、1日用量の50%を基礎注入、50%をボーラス注入とした。MDIは、食前にノボリンR、就寝前にNPHインスリンを使用。用量はCSIIと同じとし、朝食前30%、昼食前20%、夕食前20%、就寝前30%に分割投与した。インスリン治療については、毎日用量の調整を行った。

 経口薬群については、BMIが20~25の患者群にはグリクラジドを当初80mg、その後160mgまで増量して用いた。BMIが25~35の患者には、当初メトホルミン0.5gを適用、その後2.0gまで増量した。単剤で目標とする血糖値を達成できなかった患者と、割り付け時に空腹時血糖が199.7mg/dL以上だった患者には、グリクラジドとメトホルミンを併用した。用量調整は3日に1回実施した。

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