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Lancet誌から
日常的に疼痛を感じやすい人の特徴は?
高齢者、低収入、低学歴が疼痛スコアの予測因子

 日常的な疼痛の有病率と重症度を調査した結果、年齢、収入、学歴が疼痛スコアの最も強力な予測因子であることが示された。米国Princeton大学のAlan B Krueger氏らの報告で、詳細はLancet誌2008年5月3日号に掲載された。

 著者らは、米国民を代表する標本集団を対象に疼痛の存在と程度を調べるために、地域ベースで電話による日記式調査法(diary-survey method)をギャラップ社に委託。調査は2006年5月~8月に行われた。無作為に電話を掛けて15歳以上の約1万700人と接触し、電話インタビューを試みた。電話インタビューでは、電話を掛ける前24時間の活動内容に関する詳細な情報を収集後、その日の昼間の中から無作為に選んだ時間に痛みを感じたかどうか尋ねた。疼痛の重症度は0(疼痛なし)から6(非常に強い痛み)のスコアでの表現を依頼した。

 アウトカム評価指標は、何らかの疼痛があった15分間(評価時点)の割合、疼痛スコアが3を超えた評価時点の割合、そして疼痛スコアの平均値に設定した。

 接触した人のうち3982人(回答率37%)の電話インタビューを完了した。平均年齢は51.4歳、61%が女性、88%が白人、17%が障害を持っていた。90%が高校卒業以上の学歴、40%が年収4万ドル未満だった。結果が米国民全体の代表になるよう、ギャラップ社が開発した方法で重み付け調整した。調整後の割合は、女性が53%、年収4万ドル未満は36%、障害者は13%で、平均年齢は45.2歳になった。

 集計の結果、男性の28.8%、女性の26.6%が、評価時点で何らかの痛みを感じていた。疼痛スコアの平均は、15歳から45歳までは年齢の上昇と共に高くなったが、45~75歳ではほぼ一定だった。また、スコアの平均は、若い世代では女性の方が低く、高齢者では女性の方が高かった。

 高収入または高学歴の集団に比べ、低収入または低学歴の人の方が、疼痛を感じた頻度が高く、強度も強かった。年収が3万ドル未満で10万ドル以上のグループに比べ、疼痛スコアの平均は2倍(1.27と0.67)だった。評価時点のうち、何らかの疼痛を感じた時点の割合は年収3万ドル未満では34.2%、10万ドル超では22.9%、スコア3超のより強い疼痛を経験していた時点の割合はそれぞれ18.5%と7.7%で、いずれも有意な傾向性が示された。学歴についても、高校を卒業していない人々と大学を卒業した人々のグループを比較すると、平均スコアは1.21と0.54で、有意差が見られた。

 黒人/非ヒスパニックでは、スコアの平均は1.03、アジア人は0.56だった。うちスコア3超の強い疼痛を感じた評価時点の割合は15.5%と4.9%で有意差があった。しかし、何らかの痛みを感じた評価時点の割合には、差はなかった。障害者では疼痛スコアの平均値が有意に高かった(2.50と0.65)。

 重回帰分析の結果は、収入、年齢、学歴が疼痛スコアの最も強力な予測因子であることを示した。一方、人種、出身、種族的出身は有意な予測因子ではなかった。

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