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Lancet誌から
全世界で年間760万人が高血圧により早死に
世界的な高血圧の疾病負荷を評価した結果より

 世界的な高血圧の疾病負荷を評価した結果、2001年の時点において全世界で760万人が血圧高値により寿命が短くなっていることが示された。また高血圧の疾病負荷の80%が低所得と中所得の国で見られること、負荷の半分は収縮期血圧が145mmHg未満の人々にかかっていることも分かった。ニュージーランドAuckland大学のCarlene MM Lawes氏らの報告で、詳細はLancet誌2008年5月3日号に掲載された。

 心血管疾患はもはや先進国のみの問題ではない。患者の割合は先進国より途上国で高く、途上国ではより若い年代に多いと報告されているが、血圧の世界的な疾病負荷について評価した研究はこれまでほとんど無かった。

 世界的に有効なコスト効果の高い予防策を考案するためには、実態の正確な把握が必要だ。著者らは、修正可能な心血管危険因子として血圧に着目、世界的な疾病負荷の評価に取り組んだ。

 血圧値に関するデータは、Global Burden of Disease(DCP2)研究で得られた情報と、それ以降の各国のデータから収集。血圧の平均値は、年齢グループ別(30~44歳、45~59歳、60~69歳、70~79歳、80歳以上)、性別、世界銀行の地域区分別(東アジア/太平洋沿岸地域、欧州/中央アジア、ラテンアメリカ/カリブ海沿岸地域、中東/北アフリカ、南アジア、サブサハラといった地域の低中所得国と、全世界の高所得国に分別したもの)に求めた。

 これまでに行われた様々な研究の結果に基づいて著者らは、すべての年齢、性別、居住地域において、収縮期血圧115mmHgを心血管関連有害事象が最も少ない血圧とした。そこで今回は、115mmHg超を血圧高値とした(その中に高血圧前症と高血圧が含まれる)。

 疾病負荷の推定値は、世界保健機関(WHO)の2003年のWorld Health Reportから得た。集団への影響係数は、収縮期血圧の平均、死亡負荷、障害調整生存年(DALYs、DALYsは「早死による損失年数」と「障害を抱えて生きる年数」の和)、回帰精度低下バイアスで補正した相対リスクのデータを用いて計算した。

 血圧関連疾患のアウトカム評価については、脳血管疾患、虚血性心疾患、高血圧(本態性高血圧、高血圧性心疾患、高血圧性腎疾患)、その他の心血管疾患(心不全、心性肺疾患、心膜と心内膜の疾患、伝導障害など)を対象に実施した。

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