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高血圧ワクチンは軽-中症患者の昼間血圧と早朝血圧を低下させる
フェーズ2a試験の結果

 2007年に学会発表されて注目を集めた、抗アンジオテンシンII抗体を誘導する高血圧ワクチンの無作為化比較試験(多施設二重盲検試験として行われたフェーズ2a試験)の結果、ワクチンは重症の有害事象を引き起こさないこと、軽-中症患者の昼間血圧と早朝血圧を下げることが示された。スイスCytos Biotechnology社のAlain C Tissot氏らの報告で、詳細はLancet誌2008年3月8日号に掲載された。

 高血圧は既存の薬剤で適切に管理できる可能性があるが、コンプライアンスが低ければ効果は望めない。そこで同社は、アンジオテンシンIIに対する免疫を付与する治療を考案し、抗原となるアンジオテンシンIIをRNAファージQB由来の組み換えウイルス様粒子(VLPs)と化学結合したCYT006-AngQbワクチンを作製、評価を続けている。

 同試験は、安全性と自由行動下血圧への影響の評価を目的として設計された。2005年3月1日から2006年5月29日まで患者登録を実施。対象は、軽度から中度の高血圧(WHOの基準に基づき収縮期血圧が140~179mmHg、または、拡張期血圧が90~109mmHg、もしくは両方)で、治療歴がないか、試験期間中治療を中止しても危険のない患者72人。CYT006-AngQbを100μg(24人)または300μg(24人)、もしくはプラセボ(24人)に無作為に割り付け、0週、4週、12週時に皮下注射を行った。アジュバントとして水酸化アルミニウムが使用された。

 24時間自由行動下血圧をベースラインと14週時に測定。主要アウトカムは安全性と忍容性とした。2次エンドポイントは、臨床効果と薬物動態学的特性(免疫原性とレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系への影響)に設定した。

 100μgの2人、300μgでは3人、プラセボ群では0人が治療を中止したが、安全性解析は全員を対象に行った。有効性解析は、14週時のデータがなかったこれら5人を除いて実施。

 重症の有害事象を経験した患者が5人いた(100μg群2人、300μg群2人、プラセボ群1人)が、治療関連と見られた患者はいなかった。有害事象の多くは軽症で、一過性の注射部位の反応など、他のワクチンと共通する局所性または全身性の症状がほとんどだった。一過性の軽いインフルエンザ様症状が100μg群の3人、300μg群の7人に見られた。

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