日経メディカルのロゴ画像

在宅の高齢者に対する複合介入は有効
介入による介護施設への入所抑制効果は大

 地域ベースの複合介入(健康上の問題と社会的な問題に対処する学際的なチームによる多因子介入)が高齢者の身体機能と自立的生活の維持において有効であることが、メタ解析の結果、明らかになった。英国Bristol大学のAndrew D Beswick氏らの報告で、詳細はLancet誌2008年3月1日号に掲載された。

 高齢者にとって身体機能の低下は、在宅での自立的生活を困難にし、入院または介護施設への入所の必要性を高めて、余命短縮をもたらす危険性がある。著者らは、地域ベースの複合介入に関する無作為化試験を各種データベースから捜した。ベースラインの平均年齢が65歳以上で、自宅で生活している、または、退院して自宅に帰る高齢者を対象とし、6カ月以上追跡を行った研究を選出した。アウトカムを自宅での生活、死亡、介護施設への入所、入院、転倒、身体機能として、抽出したデータのメタ分析を実施した。

 87件の臨床試験の結果を報告している116本の論文に記述されていた89の介入が条件を満たした。対象となった高齢者は計9万7984人。89研究のうち28件は一般高齢者、24件は虚弱な高齢者の機能評価を目的としており、21件は退院し自宅に戻る高齢者に対する地域ベースのケアの有効性を評価、13件は転倒リスクを抱えた高齢者の転倒予防を目指したもので、3件は集団教育とカウンセリングの効果を調べていた。

 複合介入は、自宅で生活できなくなるリスクを減じた(相対リスク0.95、95%信頼区間0.93-0.97)。個々に見ると、有意な減少を示したのは、一般高齢者を対象とする機能評価研究(0.95、0.93-0.98)と退院後の高齢者を対象とした研究(0.90、0.82-0.99)だった。

 一般高齢者において、自宅で生活できなくなる人の割合は1年当たり約7.6%で、介入はリスクを5%減少することに基づいて治療必要数(NNT:number needed to treat)を求めると263になった。一方、退院後の高齢者では自宅で生活できなくなる割合が約25%と高いため、NNTは40になった。死亡リスクには変化は見られなかったが(1.00、0.97から1.02)、転倒リスクの高い高齢者の死亡は、有意に減少していた(0.79、0.66-0.96)。

この記事を読んでいる人におすすめ