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PCIできない施設にハイリスクSTEMI患者が受診、どうする?
薬物療法後迅速にPCI可能施設に搬送すべき

 ST上昇心筋梗塞STEMI)患者に対する血行再建には、プライマリPCIが好ましい。しかし実際には、90分以内にプライマリPCIを受けられる患者は少ない。そうした患者に対する最善の治療は何なのだろうか。

 英国Royal Brompton HospitalのCarlo Di Mario氏らは、PCIが施行できない施設に入院したハイリスクSTEMI患者を、薬物による血栓溶解/抗血栓療法後、迅速にPCI可能病院に搬送する方法と、薬物療法後に必要と判断された患者のみを搬送して緊急PCIを行う治療に割り付けて、迅速PCIの有効性と安全性を明らかにした。詳細は、Lancet誌2008年2月16日号に報告された。

 プライマリPCIの有効性は明確に示されている。しかし実際には、先進国であっても多くの患者がPCIが施行できない施設に入院し、血栓溶解薬を用いた保存的治療を受けている。PCI可能施設に搬送されるのは、血行再建が得られない、または血行動態が不安定な患者のみになる場合も少なくない。

 著者らは、ハイリスクSTEMI患者の場合には、薬物療法を受けた患者の一部に必要に応じて緊急PCIを行うよりも、薬物療法後に全員をPCI可能施設に搬送する方が安全かつ有効ではないかと考え、この仮説を検証するための多施設無作為化試験を設計した。

 2002年12月から2007年2月まで、フランス、イタリア、ポーランドで、75歳以下の患者を登録。フランスはPCI非施行6病院とPCI可能5病院、イタリアではそれぞれ21病院と12病院、ポーランドでは14病院と3病院が研究に参加。PCI非施行病院からPCI可能病院までの距離の中央値は31kmだった。

 対象となったのは、症状発現から12時間以内にPCI非施行病院に入院し、累積ST上昇が15mm超、新規発生左脚ブロックあり、心筋梗塞既往あり、Killip分類のクラスが2超、左室駆出分画35%以下、といった条件を1つ以上満たすハイリスク患者600人。299人を迅速PCI、301人を標準治療/緊急PCIに無作為に割り付けた。

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