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経口避妊薬は卵巣癌を減らす
使用期間5年で相対リスクは20%減、リスク低減効果は30年超継続

 経口避妊薬卵巣癌リスクをどのぐらい低減させるのだろうか。経口避妊薬の使用期間と卵巣癌リスク低減の関係を調べた結果、患者特性や使用した経口避妊薬のエストロゲン含有量にかかわらず、使用期間に応じて相対リスクが減少することが明らかになった。さらに、使用を中止した後のリスク低減の持続期間を調べた結果、使用中止から30年を超えても効果が持続することも分かった。卵巣癌の疫学を研究するCollaborative Group on Epidemiological Studies of Ovarian Cancerの報告で、詳細はLancet誌2008年1月26日号に掲載された。

 著者らは、経口避妊薬が卵巣癌リスクを低減するとしても、卵巣癌は若い女性には少ないうえに、罹患率は年齢と共に上昇することから、公衆衛生面への影響は使用中止後のリスク低減効果の持続期間に依存するだろうと考えた。そこで、リスク低減の持続期間を知るために、疫学研究のメタ分析を共同で行った。

 各種データベースから疫学研究を選出。欧米を中心とする21カ国で行われた45件(前向き研究が13件、ケースコントロール研究が32件)の疫学研究に参加した2万3257人の卵巣癌患者(ケース)と8万7303人の卵巣癌ではない女性(コントロール)について分析した。被験者について、社会人口統計学的要因、妊娠出産歴、月経歴、避妊用女性ホルモン薬の使用、女性ホルモン補充療法歴、身長、体重、乳癌と卵巣癌の家族歴、飲酒歴、喫煙歴などの情報を得た。

 全体では、ケースの7308人(31%)、コントロールの3万2717人(37%)に経口避妊薬の使用歴があった。平均使用期間はそれぞれ4.4年と5.0年だった。

 患者群が癌と診断された時期の中央値は1993年で、そのときの患者の平均年齢は56歳だった。診断は経口避妊薬使用開始から平均20年後だった。

 使用歴なし群と比較した使用歴あり群の卵巣癌相対リスクは0.73(95%信頼区間0.70-0.76、P<0.0001)。経口避妊薬の使用歴が長いほどリスク減少は大きく、使用期間1年未満を参照群とすると、1~4年は相対リスク0.78(0.73-0.83)、5~9年は0.64(0.59-0.69)、10~14年は0.56(0.50-0.62)、15年以上は0.42(0.36-0.49)で、使用期間が5年増えるごとに相対リスクは20%(18-23%、P<0.0001)ずつ減少した。

 人種、教育歴、初産年齢、乳癌の家族歴、初潮年齢、閉経前か後か、ホルモン補充療法歴、身長、体重、BMI、飲酒、喫煙で調整しても、5年当たりの相対リスク減少レベルへの影響は1%未満だった。

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