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「入院して静注」と「自宅で高用量服用」の効果は同等
合併症がない小児重症肺炎患者についてはガイドラインの再考が必要

2008/01/18
佐原加奈子

 生後3~57カ月の小児の重症炎患者を対象に、世界保健機関WHO)推奨の入院による抗菌薬静注と、自宅での抗菌薬の服用の治療効果について無作為化同等性試験を行った結果、治療失敗リスクは同等であることが示された。米国Boston大学のTabish Hazir氏らの報告で、詳細はLancet誌2008年1月5日号に掲載された。

 WHOの重症肺炎症例管理ガイドラインは以下のようになっている。
・ 咳はあるが頻呼吸は見られない小児=外来で抗菌薬なしに治療
・ 頻呼吸がある小児:重症ではない肺炎=自宅で経口抗菌薬を使用
・ 陥没呼吸がある患者:重症肺炎/さらに危険な徴候が見られる患者:極めて重症の肺炎=病院に紹介、抗菌薬(ベンジルペニシリンまたはアンピシリン)を非経口投与

 特に途上国では、急性の下気道感染は5歳未満の小児の生命を脅かす病気だが、ガイドラインに基づく治療の実施は容易ではなく、地域社会ベースで実施可能な安全な代替治療が求められている。そこで著者らは、重症肺炎の小児患者を対象に、自宅で高用量アモキシシリンを服用した場合と、入院してアンピシリンの静注を行った場合の効果の同等性を比較する、オープンラベルの無作為化試験を行った。

 パキスタンの3次医療機関7カ所の小児科を2005年2月~2006年8月の間に受診した生後3~57カ月の患者の中から、喘息患者や極めて重症の肺炎患者などを除いて、WHO分類で重症肺炎と判定された2037人を登録。1012人を入院とアンピシリンの静注(100mg/kg/日を4回に分けて48時間投与)+その後3日間の経口アモキシシリン投与(80~90mg/kg/日)に、1025人を自宅でのアモキシシリンシロップの服用(80~90mg/kg/日を2回に分けて使用)に無作為に割り付けた。

 評価は登録から1日後、3日後、6日後、14日後に実施。主要アウトカムは6日までのいずれかの時点の治療失敗(臨床症状の悪化、継続する嘔吐により経口薬を使用できない、抗菌薬を必要とする合併症発生、3日目から6日目に38度超の発熱が持続し陥没呼吸がある、6日時の発熱または陥没呼吸、死亡など)とした。

 2次アウトカムは、6~14日の間の治療失敗または再発(臨床症状の悪化、抗菌薬を必要とする合併症、喘鳴があり吸入3回では改善しない陥没呼吸または頻呼吸)に設定した。

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