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大腸の開腹手術前の腸管処置は不要
吻合部縫合不全の発生頻度に差なし

 大腸開腹術を受ける患者に術前腸管処置を行った場合と行わなかった場合の吻合部縫合不全の発生頻度を比較した結果、両者に差は見られないことが示された。オランダIkazia病院のCaroline ME Contant氏らの報告で、詳細はLancet誌2007年12月22/29日号に掲載された。

 大腸の手術後に発生する外科的な合併症の中で最も深刻なものの一つが縫合不全だ。術前にポリエチレングリコール(PEG)やリン酸ナトリウムなどを大腸に流す前処置は、縫合不全と感染性の合併症を防ぐための有効な手段と見なされているが、これによる合併症リスク低減を示す明確なエビデンスはこれまでなかった。

 前処置は患者にとって不快であるとともに、電解質バランスを崩す、細菌を移動させるといった悪影響が想定されている。さらに近年、前処置で縫合不全が増えるといった小規模研究の結果も報告されていた。

 そこで著者らは、多施設無作為化非劣性試験をオランダ国内の13病院で実施した。1998年4月から2004年2月まで、一次縫合を伴う待機的大腸手術を受ける成人患者1431人を登録、無作為に前処置あり群と前処置なし群に割り付けた。

 前処置なし群は、手術の前日も通常通りの食事を取った。前処置あり群は、前日は流動食とし、ポリエチレングリコール(PEG)またはリン酸ナトリウムを用いた前処置を実施した。個々の病院のガイドラインに基づき、すべての患者に対して術前に予防的抗菌薬静注が行われた。

 主要エンドポイントは、吻合部縫合不全に設定。発熱の持続、腹痛、腹膜炎、白血球増加が認められた場合に、X線検査、CTスキャン、開腹術を実施して確認した。2次エンドポイントとして感染性の合併症(創傷感染、尿路感染、肺炎、腹腔内膿瘍)、筋膜の裂開、死亡の頻度を比較した。

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