日経メディカルのロゴ画像

喘息治療薬への反応性にADRB2遺伝子多型は影響するか
長時間作用性β2刺激薬には影響なし(2010.2.5訂正)

 成人喘息患者に対する長時間作用性β2刺激薬吸入ステロイド薬の併用は、長期管理に有効で忍容性も高い。β2-アドレナリン受容体(ADRB2)遺伝子の多型がこの治療に対する患者の反応性に影響するかどうかを調べた結果、短時間作用性のβ2刺激薬の場合と異なり、長時間作用性β2刺激薬の反応性は遺伝子多型に影響されないことが示された。米国Wake Forest大学のEugene R Bleecker氏らの報告で、詳細はLancet誌2007年12月22日号に掲載された。

 β2刺激薬に対する喘息患者の反応は多様であり、その理由の1つがADRB2遺伝子の多型にあると考えられている。既に様々な多型が同定されているが、特に注目を集めているのが、16番目のアミノ酸(Gly16Arg)と27番目のアミノ酸(Gln27Glu)の置換をもたらす一塩基多型だ。これまでに、短時間作用性β2刺激薬のアルブテロールに対する反応性はGly/Glyの患者に比べArg/Argのほうが低いことが明らかになっている。

 長時間作用性β2刺激薬についても同様の報告があるが、一部に関係を否定する結果もあった。また、特定の多型を持つ患者にはβ2刺激薬の有害事象が現れやすいのではないかという懸念もあり、多型と薬剤の作用に関する研究がさらに必要と考えられていた。

 そこで著者らは、吸入ステロイド薬と長時間作用性吸入β2刺激薬を併用した場合の喘息増悪に対する影響を調べた2件の無作為化試験データの詳細な分析を行い、Gly16Argが治療に対する反応に影響を与えるかどうかを調べた。これらの試験では、患者からDNA標本が採取されていた。

 1つめの試験は、2重盲検で12歳以上の2250人の患者を無作為に以下の3群に割り付け6カ月治療したもの。
1)ブデソニド(吸入ステロイド薬)160μg+ホルモテロール(吸入型長時間作用性β2刺激薬)4.5μgの合剤(AstraZeneca社のシムビコート)を定時吸入(1日2回)。さらに発作治療薬(レリーバー)としても使用
2)ブデソニド320μg+ホルモテロール9μgの定時吸入(1日2回)
3)フルチカゾン(長時間作用性β2刺激薬)250μg+サルメテロール(吸入ステロイド薬)50μgの合剤(GlaxoSmithKline社のアドエア)の定時吸入(1日2回)

 2つめの試験は、12歳以上の患者を対象にオープンラベルで行われた。405人の喘息患者を対象とする7カ月間の試験は、
1)ブデソニド+ホルモテロール合剤を用量調整(短時間作用型β2刺激薬の使用と夜間の目覚めを指標として)して投与
2)ブデソニド320μg+ホルモテロール9μgを1日2回
3)フルチカゾン250μg+サルメテロール50μgを1日2回
の3群で比較。どの群もレリーバーとしてアルブテロールを使用した。

この記事を読んでいる人におすすめ