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静脈血栓塞栓症後は心血管イベントの入院リスク上昇
20年後までリスクが高い状態が続く

 深部静脈血栓塞栓症と心血管イベントの関係を調べたデンマークAarhus大学病院のHenrik Toft Sorensen氏らは、血栓症発生から1年以内に心血管イベントで入院するリスクは1.88倍と有意に高まり、そのリスクが高い状態が20年後まで続くことを明らかにした。詳細は、Lancet誌2007年11月24日号に報告された。

 アテローム性動脈硬化や、心筋梗塞脳卒中などの動脈性の血栓症では、動脈で血小板が活性化され血栓形成が起こる。一方、静脈血栓塞栓症は、赤血球とフィブリンを主な成分とする血栓が形成される。これまでに、動脈性の心血管イベントと静脈血栓塞栓症の有意な関係を報告している研究がいくつかあったが、一方でそれを否定する報告もあった。そのため、今回著者らは、静脈血栓塞栓症と心血管イベントの間の関係を明らかにするために、20年間にわたる集団ベースのコホート研究を実施した。

 コホート研究には、デンマーク全体の入院記録(精神疾患と慢性疾患による入院を除く全入院の99.4%をカバー)が登録されているデータベースを利用した。1980年1月1日から2005年12月31日までに、心血管疾患歴のある患者を除いて、退院時の診断が初回深部静脈血栓塞栓症(下肢深部静脈血栓症または肺塞栓症、または両方)だった40歳以上の患者2万5199人を選出した。うち1万6925人が肺塞栓症だった。対照群として、患者と性別、年齢、居住地域が一致する人を患者1人当たり約5人(計16万3566人)、住民登録から選んだ。

 なお、血栓イベントによる入院の前または入院から90日以内に癌と診断された場合と、イベント前90日以内に骨折、手術、外傷または妊娠による入院があった場合を誘発性(7112人)、当てはまらないケースを非誘発性(1万8087人)とした。対照群に比べ血栓症患者群には、癌患者、手術を受けた患者、妊婦が多かった。

 解析の結果、深部静脈血栓症患者が血栓イベント発生から1年間に心血管イベントで入院する調整相対リスクは1.88(95%信頼区間1.66-2.12)、うち急性心筋梗塞は1.60(1.35-1.91)、脳卒中(虚血性、出血性の両方を含む)は2.19(1.85-2.60)だった。

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