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第2世代日本脳炎ワクチンの有効性と安全性を確認
vero細胞を用いて生産した不活化ワクチン

 開発が進められている新たな日本脳炎ワクチンと、現在接種されているワクチンの有効性と安全性を比較した無作為化試験の結果、新たなワクチンの有効性と安全性は現行ワクチンと同等であることが示された。オーストリアVienna医科大学のErich Tauber氏らの報告で、詳細はLancet誌2007年12月1日号に掲載された。

 日本脳炎ウイルスJEV)は、東南アジアのウイルス性脳炎の主な原因であり、予防法としてはワクチン接種が有効だ。しかし、世界的に見ても、現在のところ米国、カナダ、オーストラリアで承認を得ているのは日本製の1製品(JE-VAX、マウス脳由来の不活化ワクチン)のみで、欧州には承認済みJEVワクチンはないのが現状だ。

 日本では、重症の有害事象に対する懸念により、日本脳炎ワクチンは2005年5月以降、定期予防接種としての積極的な勧奨が控えられ、希望者のみの接種となっている。米国における重症の有害事象の頻度は、1万人当たり15~62人と報告されている。これら重症の有害事象の正確な原因は明らかではないが、安定剤として添加されているブタ由来のゼラチンや、ワクチンに含まれる可能性のあるマウス神経組織の関与が疑われている。

 今回評価したのは、アフリカミドリザル腎細胞に由来するvero細胞を用いて生産した、JEVのSA14-14-2株を含む不活化ワクチン(開発・製造は英国Intercell Biomedical社)だ。精製、不活化したウイルスを0.1%水酸化アルミニウムに吸着させた注射器充填済みワクチンで、チメロザールやゼラチンを含まない。

 著者らは、この第2世代の不活化JEVワクチンと現行ワクチンの安全性と有効性を比較する国際的多施設無作為化フェーズ3試験を、観察者盲検方式で実施した。

 英国、ドイツ、オーストリアで、18歳以上の男女健常人ボランティア867人を登録、新ワクチン(三角筋への筋注2回、0日と28日、430人)または現行ワクチン(上腕への皮下注射3回、0日、7日、28日、437人)に割り付けた。実際にワクチン接種を完了したのは863人だった。

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