日経メディカルのロゴ画像

急性腰痛にジクロフェナクと脊椎徒手整復術の追加は無効
統計学的に有意な回復促進効果は見られず

 急性腰痛患者の回復が遅い場合に、第2選択としてジクロフェナクなど非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)または脊椎徒手整復術(SMT)の適用が推奨されているが、これらは有効なのだろうか。オーストラリアSydney大学のMark J Hancock氏らがその有効性を評価した結果、統計学的に有意な回復促進効果は見られないことが明らかになった。詳細はLancet誌2007年11月10日号に報告された。

 開業医向けの急性腰痛治療ガイドラインでは、第1選択治療を、アセトアミノフェンの投与と、助言と説明(患者に身体を動かし安静を避けるよう助言し、予後は良好であると説明して安心させる)としている。そして回復が遅い患者には、第2選択治療としてNSAIDsとSMTの適用が推奨されている。しかし、これらを追加した場合に、患者の回復が早まるのかどうか明確なデータは示されていなかった。

 一方で近年、NSAIDsの有害事象に対する懸念が高まっている。また、SMTも有害事象が報告されている上、一般にかかりつけ医から専門の施術者への紹介が必要で、コスト上昇ももたらす。そこで著者らは、NSAIDsのジクロフェナク、SMT、または両方を第2選択とした場合に、急性腰痛患者の回復が早まるかどうか検証した。

 急性腰痛(痛みと障害の程度はいずれも中等度)でかかりつけ医を受診し、アセトアミノフェンを処方され、助言と説明を受けた患者240人を登録し、ジクロフェナク(50mgを1日2回)+プラセボSMT(60人)、プラセボ+SMT(60人)、ジクロフェナク(50mgを1日2回)+SMT(60人)、プラセボ+プラセボSMT(60人)の4群に無作為に割り付けた。

 アセトアミノフェン、ジクロフェナクまたはプラセボは、痛みが感じられなくなるまで使用を継続するよう指示。ただし最長4週間とした。SMTは15人の理学療法士によって週に2~3回(回復するまで最高12回、最長4週間)行われた。

 主要アウトカム評価指標は、痛みからの回復に要した日数とした。具体的には、1)痛みを感じなくなった(最強を10とする疼痛スコアが0か1)最初の日まで、2)痛みを感じない(疼痛スコアが0または1)状態が7日間継続した場合の初日まで、の2点で評価した。2次エンドポイントは、疼痛スコア、機能スコア、障害スコアなどに設定した。

この記事を読んでいる人におすすめ