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抗肥満薬リモナバン投与でうつと不安のリスク上昇
無作為化比較試験のメタ分析の結果より

 欧州では抗肥満薬としてリモナバンが既に市販されており、禁煙補助薬としても注目を集めている。しかし一方で、うつなどの精神的な有害事象が懸念されている。デンマークFrederiksberg病院のRobin Christensen氏らは、メタ分析により、リモナバン投与群ではうつと不安のリスクが上昇することを明らかにした。詳細はLancet誌2007年11月17日号に報告された。

 リモナバンは、選択的カンナビノイド1受容体拮抗薬で、欧州では2006年6月に抗肥満薬として承認を得た。当初から、大うつ病などの重篤な精神疾患患者に対する投与は避けるよう警告されており、厳密な安全性監視が要求されていた。承認から1年後に、欧州医薬品審査庁(EMEA)はすべてのデータを審査、2007年7月に、大うつ病患者や抗うつ薬使用者には禁忌とする勧告を出している。

 米国で市販許可申請に対する審査を進めてきたFDAの諮問委員会は、2007年6月、全会一致で承認を勧告しないことを決め、自殺リスクの上昇が示唆されていることから、より大規模で長期的な臨床試験で安全性を評価する必要がある、との判断を示していた。

 これまでに行われた無作為化試験の著者らは、「十分な忍容性が見られており有害事象は一過性で軽症だ」と報告している。しかし、いずれの試験でも抑うつ気分などの増加が見られていた。そこで今回、著者らは、報告されたすべての無作為化比較試験のメタ分析を行い、リモナバンの有効性と安全性を評価することにした。有害事象については、特に自殺に結びつく可能性のあるうつに焦点を当てた。

 文献データベースに2007年7月までに登録された論文から、リモナバン20mg/日とプラセボを比較した試験を抽出し、この中で条件を満たし質も高かった4件の二重盲検試験を選び分析した。過体重と肥満の患者に投与して肥満、糖尿病、代謝性疾患に対する有効性と安全性を評価していたこれらの研究の登録患者の総数は4105人。4件とも製造会社であるSanofi-Aventis社の後援を受けていた。

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