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JAMA誌から
減量手術は肥満に関連する癌のリスクを減らす
長期追跡で減量手術を受けなかった肥満者と13種類の癌発症率を比較

 米国Cleveland ClinicのAli Aminian氏らは、BMIが35以上の患者で、減量手術を受けた人と受けなかった人を長期追跡して癌のリスクを比較するマッチドコホート研究を行い、肥満に関連する癌の発症リスクとあらゆる癌による死亡リスクは、減量手術群で有意に低かったと報告した。結果は2022年6月3日のJAMA誌電子版に掲載された。

 肥満者では、特定の癌の発症率とこれによる死亡率も高いことが知られている。しかし、意図的な減量でそれらのリスクを減らせるかどうかは明らかではなかった。現時点で最も有効な減量法は減量手術だ。多くの場合、術後に体重は20~35%減少し、その状態を数年にわたって維持できる患者が多い。しかし、これまでのところ、減量手術とその後の肥満関連の癌のリスクについて検討した研究はほとんどなかった。そこで著者らは、減量手術と肥満関連癌の発症およびあらゆる癌による死亡の関係を検討するために、後ろ向きマッチドコホート研究SPLEMDIDを実施した。

 対象は2004~17年にCleveland Clinic Health System(CCHS)で、ルーワイ胃バイパス術やスリーブ状胃切除術といった減量手術を受けていた、年齢18~81歳でBMIが35~80の患者。癌の病歴がある患者、アルコール関連疾患のある患者、HIV感染者、左室駆出率20%未満の患者、減量手術から12カ月以上追跡できなかった患者などは除外した。減量手術を受けた患者1人当たり5人の割合で、減量手術を受けなかった肥満者を選び出して、対照群とし、両群のコホートを2021年2月まで追跡した。

 主要評価項目は、肥満関連の13種類の癌の発症と、あらゆる癌の発症および癌死亡に設定、多変量Cox回帰モデルを用いて分析した。肥満関連の13種類の癌は、食道腺癌、腎細胞癌、閉経後の乳癌(55歳以上で診断されたもの)または両側卵巣切除術を受けた若い女性の乳癌、胃噴門部癌、結腸癌、直腸癌、肝癌、胆嚢癌、膵癌、卵巣癌、子宮体癌、甲状腺癌、多発性骨髄腫とした。

 2004~17年にCCHSを受診した記録があるBMI35以上の患者は67万5240人いた。このうち8789人が減量手術を受けており、さらに条件を満たした患者は5053人見つかった。術式はルーワイ胃バイパス術が3348人(66%)、スリーブ状胃切除術が1705人(34%)だった。減量手術を受けなかった肥満者のうち、条件を満たした患者12万8119人の中から、手術を受けた患者とマッチングを行い2万5265人の対照群を選んだ。合計3万318人の年齢の中央値は46歳、BMIの中央値は45、77%が女性で、73%が白人だった。2021年2月までの追跡期間は中央値で6.1年(四分位範囲3.8~8.9年)だった。

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