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JAMA Neurology誌から
脳卒中後てんかん患者にはどの抗痙攣薬を使用すべきか?
抗痙攣薬の単剤投与を受けていた患者の死亡リスクを調べたスウェーデンの研究

 スウェーデンSahlgrenska大学病院のDavid Larsson氏らは、脳卒中後にてんかんを起こした患者に対する抗痙攣薬の投与が、その後の生存アウトカムに与える影響を調べる後ろ向きコホート研究を行い、カルバマゼピンを基準として死亡リスクを比較したところ、薬の種類によって死亡リスクの増加や減少が見られたと報告した。結果は2021年12月13日のJAMA Neurology誌電子版に掲載された。

 成人が新たにてんかんを発症する機会は、脳卒中後が最も多い。そして、脳卒中後にてんかんを起こした患者は死亡率が高くなりやすいことが報告されている。理論的には、抗痙攣薬の酵素誘導が心血管リスクを増やすことが考えられ、米食品医薬品局(FDA)は先頃、ラモトリギンの不整脈誘発作用に対する安全声明を公表している。しかし、脳卒中後てんかん患者に対する抗痙攣薬の投与と死亡の関係をリアルワールドデータで検討した研究はまだなく、抗痙攣薬の選択に役立つエビデンスはほとんど提示されていなかった。

 そこで著者らは、急性脳卒中を起こした成人患者全ての情報を登録しているスウェーデンのデータベースなどを利用して、脳卒中後てんかんの治療に用いられた抗痙攣薬の種類別に死亡リスクを比較する後ろ向きコホート研究を計画した。

 2005年7月1日から2010年12月31日までに急性脳卒中を発症した患者11万9180人のうち、2014年12月31日までの期間に脳卒中後てんかんと診断されていた患者は6970人いた。このうち抗痙攣薬の単剤投与を継続して受けていた2577人を組み入れ対象にした。抗痙攣薬の調剤記録を調べて、初回調剤日を治療開始日とした。

 共変数として、人口統計学的特性、脳卒中の特性、住居形態、日常生活動作の自立度、脳卒中前の喫煙習慣、高血圧、糖尿病、心房細動、スタチンの使用、抗うつ薬の使用などに関する情報も得た。

 主要評価項目は総死亡に設定した。使用した薬ごとの死亡リスクは、処方件数が最も多かったカルバマゼピンを基準としてCox比例ハザード回帰モデルを用いて分析した。副次評価項目は心血管死亡とし、Fine-Gray競合リスク回帰モデルを用いて評価した。

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