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JAMA Network Open誌から
閉経前の両側卵巣切除術は後の認知機能低下と関連する
切除後のエストロゲン補充療法は認知機能に対する影響が見られず

 米国Mayo ClinicのWalter A. Rocca氏らは、軽度認知障害(MCI)の有病率や危険因子を調べるためのコホート研究Mayo Clinic Study of Aging(MCSA)に参加した地域住民のデータを利用して、一般の女性に比べ閉経前に両側の卵巣切除術を受けた女性では、約30年後にMCIと診断されるリスクが高かったと報告した。結果は2021年11月11日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 著者らは2007年に、49歳未満で両側の卵巣切除術を受けた女性は、認知機能障害や認知症のリスクが高いことを示唆した論文を報告している。この研究では、卵巣切除術を受けた年齢が若いほどリスクは高く、術後にエストロゲン補充療法(ET)を受けるとリスクは減少していた。そのため、認知機能の低下は長期のエストロゲン欠乏と関連することが考えられた。その後も同様の研究がいくつか報告されたが、何歳の時に手術を受けると認知機能に影響があるのかは不明で、ETの効果については研究により結果が異なっていた。

 そこで著者らは、9種類のテストを含む包括的認知機能試験を用いたMCIに焦点を当てて、閉経前の両側卵巣切除術とその後のETが、全般的な認知機能および個々の認知ドメインに及ぼす影響について検討することにした。

 この研究では、MCSAの参加者情報とRochester Epidemiology Project(REP)から得た診療情報を組み合わせて、ケースコントロール研究と横断研究を実施した。対象は、2004~19年にMCSAに参加したミネソタ州Olmsted郡の住民のうち、臨床評価を受け、包括的認知機能検査を受けていた50~89歳の女性だ。MCSAでは15カ月ごとに参加者を追跡して、認知機能評価を行っている。参加者のうち両側の卵巣切除術を受けた女性では、手術時点の年齢、切除術の適応症、ETの有無に関する情報なども調べた。

 認知機能の評価には、記憶の能力の検査3種類と、注意と実行機能の検査2種類、視空間認知機能検査2種類、言語能力検査2種類を用いた。これらのテストの結果は、MCSAスタディに参加した認知機能が正常な女性2449人の平均スコアを用いてzスコアに換算した。

 主要評価項目は、MCSA参加後の初回受診時に行った認知機能検査の結果に基づくMCIの臨床診断と、認知機能検査のzスコアに設定した。

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