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JAMA Network Open誌から
妊娠中のHPV16/18型感染は早産リスクを増やす
妊娠第1期と第3期のHPV感染と分娩アウトカムを調べたカナダの研究

 カナダMontreal大学のJoseph Niyibizi氏らは、妊娠中のヒトパピローマウイルス(HPV)感染と早産の関係を調べる前向きのコホート研究を行い、子宮頸癌のハイリスク型であるHPV16/18型に持続感染していた妊婦では、HPVに感染していなかった妊婦に比べ、早産のリスクが有意に高かったと報告した。結果は2021年9月15日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 早産の原因は多くの場合明らかではない。しかし、いくつかの感染症が早産を引き起こすことは知られている。In vitroと動物モデルの研究では、HPVの感染が妊娠の転帰に悪影響を及ぼすことが示されているが、臨床研究ではHPV感染と早産の関係について一貫した結果は示されていない。もし、HPV感染が早産リスクを上昇させるのであれば、HPVワクチンは早産予防にも役立つ可能性がある。

 そこで著者らは、妊娠中の腟のHPV感染と、分娩時の胎盤のHPV感染が、それぞれ独立して早産に関係するという仮説を検証するために、前向きコホート研究HERITAGEをカナダMotreal市の大学病院3施設で実施した。

 組み入れ対象は、年齢18歳以上の妊娠第1期の女性とした。HIVに感染している女性、多胎妊娠の女性、自然流産や中絶を行った女性などは対象から除外した。登録時に腟スメアの自己採取を依頼し、HPVのDNA検査を行った。結果が陽性だった女性には、妊娠32~35週の時点でも再度検査を実施した。分娩後には速やかに、胎盤の胎児側と母胎側から標本を採取して、胎盤のHPV感染を調べた。

 試験に参加した妊婦の社会人口統計学的要因、医療歴、性行為歴、喫煙歴、飲酒習慣などはベースラインで調査した。妊娠歴と分娩の記録は電子医療記録から抽出した。

 HPV検査には、Roche Linear Array HPV Genotyping Assayを適用し、36種類の遺伝子型のHPVを検出した。HPV検査結果により、妊婦を次の4グループに分類した。1)HPV検査陰性、2)癌のリスクが低い型のHPVに感染、3)癌のリスクが高い型(16/18型を除く)に感染、4)16型または18型に感染。妊娠第1期と第3期の両方で陽性だった場合を持続感染と判定した。胎盤の感染は、スワブサンプルと生検標本を調べ、陰性か陽性かを判定した。

 主要評価項目は早産とした。時期は妊娠20週0日から36週6日までの生児出産または死産と定義した。HPVのDNAの存在と早産の関係は、ロジスティック回帰モデルを用いて分析し、傾向スコアを用いた逆確率重み付け法を適用して、オッズ比と信頼区間を推定した。

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