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JAMA誌から
血清尿酸濃度を上げてもパーキンソン病の進行は抑制できない
早期のPD患者にイノシンを投与して尿酸値を高めに持続した臨床試験

 米国Massachusetts総合病院のMichael A.Schwarzschild氏などParkinson Study Group SURE-PD3の研究者たちは、血清尿酸値が低い初期のパーキンソン病(PD)患者を対象に、イノシンを2年間投与して尿酸値を高く保つことでPDの進行を抑制できるかどうかを調べるランダム化比較試験を行い、プラセボ群に比べPDの進行を抑えることはできなかったと報告した。結果はJAMA誌2021年9月14日号に掲載された。

 血清尿酸値が高すぎると、痛風をはじめ心血管疾患や代謝性疾患のリスクが増加する。一方で、尿酸は強い抗酸化作用を持つため、活性酸素などからドパミン神経細胞を保護する作用があると考えられている。早期のPD患者では、血清中や脳脊髄液中の尿酸値が高い人の方が、PDの進行が遅いと言う報告もある。そこで著者らは、血清尿酸値が低いPD患者に、尿酸の前駆体であるイノシンを投与して尿酸値を高めに持続することで、PDの進行を抑制できるかを調べる第3相臨床試験のSURE-PD3を計画した。

 SURE-PD3には米国の61施設が参加した。組み入れ対象は、PDの診断基準を満たし、診断から3年以内で、診断時の年齢が30歳以上であり、L-dopaやドパミン作動薬が必要な段階に進行しておらず、血清尿酸値が5.8mg/dL未満の患者とした。女性患者の場合は閉経後か、妊娠していないこととした。痛風・尿酸結石・心血管疾患の病歴がある人、薬剤性パーキンソニズムの人、推定糸球体濾過量が60mL/分/1.732未満の人などは除外した。

 条件を満たした患者は1対1の割合で、イノシン群またはプラセボ群にランダムに割り付けた。割り付け薬は、経口薬として1日3回服用し、24カ月後まで続けた。イノシンの用量は最大で1回に500mg入りカプセル2個までとし、血清尿酸値が7.1~8.0mg/dLになるよう調整した。用量調整はプラセボ群にも実施した。割り付け薬の中止後は、3カ月間のウオッシュアウト期間を設けた。

 主要評価項目は、2年後のMovement Disorder Society Unified Parkinson Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)parts I-IIIで、患者と医師が報告した複合スコアとした。合計点は0~236点の範囲で、高スコアほど障害が大きいことを意味する。臨床的に意義のある最小の差は6.3点とした。投与期間中にドパミン作動薬の使用が必要になった場合は、追跡を中止した。副次評価項目は、血清尿酸値が目標域にあったかどうか、有害事象、MDS-UPDRSのパートI、パートII、パートIIIの各スコア、Neuro-QOLの13モジュールのスコアなどに設定した。

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