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JAMA Pediatrics誌から
重度の外傷性脳損傷後の小児はADHDのリスクが高い
重症度と外傷から診断までの期間を考慮したメタアナリシス

 米国California大学Los Angeles校のRobert F. Asarnow氏らは、小児の外傷性脳損傷(TBI)と注意欠損・多動症(ADHD)に関連が見られるかを調べた研究を対象に、系統的レビューとメタアナリシスを行い、外傷が軽度の場合は有意な関連が見られなかったが、重度の場合にはADHDの診断と強い関連が見られたと報告した。結果は2021年7月12日のJAMA Pediatrics誌電子版に掲載された。

 重度の頭部外傷は小児の主な死因の1つであり、神経学的後遺症を残すリスクも高い。さらに生命は助かっても、TBI受傷後に認知障害や行動障害を起こすことがある。ADHDについてもTBI後の小児は発症頻度が高いことを報告した研究があるが、一方でTBI後にADHDの増加は見られないという研究もある。著者らは、結果に一貫性がない理由は、TBI患者の重症度と外傷からADHD診断までのタイミングが研究によって異なるためだと考え、これらの点を考慮したメタアナリシスを計画した。

 1981年から2019年の12月19日までの期間に、PubMed、Psycinfo、コクランセントラルに登録されていた研究の中から、4~18歳までの小児を対象に、脳震盪や頭部外傷とADHDの関連について調べた研究を選び出した。検索対象は、ピアレビューを行う学術誌の英語論文に限定した。個々の研究の質の評価にはNewcastle-Ottawa scaleを用いた。

 主要評価項目は、ADHDの診断率に設定した。外傷の重症度は、主にグラスゴー・コーマ・スケールに基づいて評価し、13~15が軽度、9~12が中等度、3~8が重度とした。外傷と診断までのタイミングは、受傷前に加えて、受傷から1年以内、受傷から1年以上経過した後の研究を区分した。

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