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JAMA Neurology誌から
carotid webがある患者は脳梗塞再発リスクが高い
頸動脈のCT血管造影データが利用可能だった脳梗塞患者を2年間追跡

 オランダAmsterdam大学のValeria Guglielmi氏らは、MR CLEAN trial(2010~14年)とMR CLEAN Registry(2014~17年)に登録された脳梗塞患者のうち、頸動脈のCT血管造影画像データが利用可能だった患者を再評価してcarotid web(CW)の存在を調べ、CWがある患者はCWがない患者に比べると、2年以内に脳梗塞を再発するリスクが約5倍だったと報告した。結果は2021年5月10日のJAMA Neurology誌電子版に掲載された。

 CWは、総頸動脈から内頸動脈と外頸動脈が分岐する部分に近い内頸動脈の後壁側に生じる棚状の病変だ。これまでの研究から、CWは動脈硬化性のプラークではなく、血管内膜の線維筋性異形成であることが報告されている。内頸動脈の内側に突出した形状のため、CWは血流を妨げ、血栓形成を引き起こし、脳梗塞の原因になる可能性が考えられている。ケースコントロール研究では、60歳未満の特発性脳卒中患者の9~37%にCWが見つかっており、CWの存在は脳梗塞のリスクを10~20倍高くするという報告がある。

 CWがある患者に対する最適な治療法を検討する前に、まず症候性CW患者(CWと同側の脳梗塞を発症した患者)における脳梗塞の再発率を明らかにする必要がある。これまでの報告は、症例報告や単一施設で行われた後ろ向き研究などに由来しており、質の高い研究の実施が求められていた。そこで著者らは、CWと同側の前方循環に大血管の閉塞を経験した患者を対象として、脳梗塞の再発リスクを検討することにした。

 分析対象になる患者は、2種類の研究データを利用して選び出した。MR CLEAN trialは、前方循環の大血管が閉塞した脳梗塞に対する血管内治療の有効性と安全性を検討したランダム化比較試験だ。一方、MR CLEAN Registryは、MR CLEAN trialの参加者を含む、血管内治療を受けた脳梗塞患者を対象にした前向きの観察コホート研究だ。

 今回の研究では、2つの研究に参加した大血管閉塞脳梗塞患者で、内頸動脈起始部のCT血管造影データが利用可能な患者の画像を再評価して、CWの有無を判定した。その上でCWがある患者とない患者のCWと同側の脳梗塞再発リスクを検討することにした。それらの患者に対する抗血小板療法の適用や、頸動脈に対する介入方法に関する情報を調べ、さらに脳梗塞再発に関する詳細な追跡データを入手した。

 主要評価項目は、初回の脳梗塞から2年以内の脳梗塞の再発とした。血管内治療から24時間以内の脳梗塞は周術期のイベントと考えて、再発から除外した。

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