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JAMA Cardiology誌から
ウェアラブル心電図モニターのAFスクリーニングは有望
2週間の心電図記録で無症候性のAF発見数が大幅に増加

 カナダSunnybrook Health Sciences CentreのDavid J. Gladstone氏らは、高血圧のある高齢地域住民を対象に、胸に貼り付けるタイプのパッチ式長時間心電図モニターが心房細動(AF)を検出するのに有用かを調べるランダム化比較試験(RCT)を行い、6カ月ごとに診察を行った場合に比べ、約10倍のAFを発見したと報告した。結果は2021年2月24日のJAMA Cardiology誌電子版に掲載された。

 治療可能な脳卒中の危険因子として最も多いとされるのがAFだ。米国では、55歳までに3人に1人の割合でAFを発症すると報告されている。AF患者を経口抗凝固薬で治療すれば、脳卒中の3分の2は予防できると考えられている。しかし、AFはしばしば持続時間が短く、症状を自覚しないことも多いため、見つからないことも多い。

 脳梗塞を起こしたことがある患者の2次予防目的では、ウェアラブルまたは埋め込み型の心電図モニターがAFの発見に有効なことが報告されている。しかし、脳梗塞の1次予防にAFスクリーニングが有効かどうかは結論が出ていない。自覚症状がない高齢者のうち、スクリーニングが役立つのはどんな人か、どんなスクリーニング方法が最も役立つか、実際に脳梗塞を減らせるかについて評価したエビデンスが少ないためだ。

 そこで著者らは、地域在住の高齢者を対象として、ウェアラブルなパッチ式の長時間心電図モニターを用いたスクリーニングと、定期的に受診して診察を受ける標準的な方法のAF検出能力を比較することにした。また、AFの発見が抗凝固薬の治療開始と脳梗塞の減少につながるか、さらにオシロメトリック方式の家庭用自動血圧計によるAFスクリーニングの精度も比較することにした。

 SCREEN-AF試験は、研究者主導で多施設が参加するオープンラベルのRCTだ。参加者はカナダとドイツのプライマリケア・クリニック48施設で募集した。対象は、75歳以上の地域住民で、これまでにAFと診断されたことはないが、もしAFが見つかれば治療対象と見なされる人(CHADS2スコアが2以上で、経口抗凝固薬の禁忌に該当しない人)とした。また、降圧薬による治療が必要な高血圧があり、組み入れ時点で医師による聴診や触診で洞調律だった人とした。

 条件を満たした人は、1対1の割合でスクリーニングを行う介入群と対照群にランダムに割り付けた。対照群は、ベースラインと6カ月後に脈拍チェックと心音聴診を含む診察を受けたもらった。介入群には、対照群と同様の診察に加え、ベースラインと3カ月後時点の2回、2週間分の心電図連続記録が可能なモニター(iRhythm Technologies社製のZio XT)を装着してもらった。また介入群には、AFスクリーニングアルゴリズムを内蔵した家庭用自動血圧計もわたして、Zio XT使用期間中に1日2回(朝と晩)、血圧を測定してもらった。血圧は3回続けて測定してもらい、そのうち2回以上陽性になった場合にAFと判定した。記録後のZio XTは中央の解析機関に郵送してもらい、解析結果はプライマリケア施設の主治医に伝えられた。

 主要評価項目は、ランダム割り付けから6カ月以内のAFの発見とした。心電図連続モニターでは、AFまたは心房粗動の波形が5分以上続いたエピソードがあった場合、または医師の診察で見つかった場合にAFと判定した。副次評価項目は、6カ月時点の抗凝固薬の使用、デバイス使用の遵守率、忍容性、その他の不整脈の検出、血圧計によるAF検出などに設定した。

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