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JAMA Network Open誌から
閉塞性睡眠時無呼吸は男性不妊の危険因子
台湾の研究でOSAを治療せずに放置すると不妊リスクが増加

 台湾国防医学院のYi-Han Jhuang氏らは、全住民の健康保険データベースを利用して、男性不妊と診断された患者と、条件をマッチさせた不妊でない男性を比較するケースコントロール研究を行い、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が男性不妊の独立した危険因子になっており、治療せずにOSAを長く放置するほど不妊のリスクは高いと報告した。結果は2021年1月21日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 不妊は「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交しているにもかかわらず、1年以上にわたって妊娠しない場合」と定義される。不妊カップルの約半数で、原因は男性側にある。これまでにも、OSAと男性不妊を関係づける研究結果は報告されており、OSAの重症度が生殖ホルモンレベルに関係することが示唆されていた。しかしながら、OSAと男性不妊の関係を検討する大規模な研究は行われていなかった。台湾では全住民を対象にした医療保険データベースが利用できるため、著者らはOSAが修正可能な不妊の危険因子であるかどうかを検討するために、ネステッドケースコントロール研究を実施した。

 台湾の国民健康保険データベースの一部であるLongitudinal Health Insurance Databaseを用いて、2000年1月1日から2013年12月31日までの期間に外来を受診、または入院して不妊と診断された18歳以上の男性患者を抽出した。ただし、無精子症、勃起障害、早漏など、精巣以外に原因がある患者は除外した。抗癌剤や抗てんかん薬を使用中の患者、性器感染症、内分泌疾患などの患者も組み入れから除外した。対照群は不妊患者1人当たり4人まで、傾向スコアがマッチする不妊ではない男性を選び出した。対照群の男性も、不妊患者の除外条件に当てはまる疾患がある人は除外した。

 主要評価項目は、2000年1月1日から2013年12月31日までに睡眠ポリグラフィー検査によって診断されたOSAとし、男性不妊の危険因子かどうかを検討した。副次評価項目はOSAの治療と男性不妊リスクとした。OSA患者は受けた治療法により、治療なし、口蓋垂口蓋咽頭形成術(UPPP)、持続陽圧呼吸療法(CPAP)、UPPPとCPAPの併用、の4群に分類した。不妊と診断されるまでのOSA暴露期間は、1年未満(短期)、5年未満(中期)、5年以上(長期)に分類した。

 傾向スコアの算出に用いたのは、ベースラインの年齢や肥満度と以下の併存疾患だ。糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、高血圧、冠動脈疾患、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脳血管の事故、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、てんかん、癌、不安障害、うつ病。

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