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JAMA Network Open誌から
進行胃癌の潜在性腹膜転移を予測するAI
畳み込みニューラルネットワークを応用したPMetNet

 米国Stanford大学医学部のYuming Jiang氏らは、通常のCT検査では発見が難しい潜在性の腹膜転移を術前に発見して、進行胃癌患者の治療方針決定に役立てるための深層学習モデルを構築し、別の医療機関の患者コホートで精度を検証したところ、高い確率で腹膜転移の事前予測が可能だったと報告した。結果は2021年1月5日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 腹膜転移は進行胃癌患者の最大で66%に認められると報告されているが、治癒的切除が適用できないことを意味するアウトカム不良の指標だ。大網ケーキ、多量の腹水、腹膜肥厚などの特徴的な所見は、ステージが進行するまでCTでは発見できないことが多く、見逃されやすい。腹腔鏡検査や試験開腹で初めて見つかった場合は、潜在性腹膜転移と見なされるが、術前に潜在性腹膜転移の有無を明らかにすることは治療方針の決定において非常に重要だ。

 ディープラーニング、特に畳み込みニューラルネットワークは、画像に含まれるわずかな情報を抽出するための強力な方法として、近年利用されている。そこで著者らは、術前に得た胃癌患者のCT画像を用いてディープラーニングモデルを適用し、潜在性の腹膜転移を予測する方法を確立し、その有用性を検討するコホート研究を計画した。

 Peritoneal Metastasis Network(PMetNet)と呼ばれる著者らのモデルは、中国中山大学癌センターで2008年1月1日から2013年1月31日までに手術を受けた1225人の進行胃癌患者のCT画像を、モデル構築のための学習コホートとした。外部検証コホートとして、2007年1月1日から2017年12月31日までに中国南方医科大学南方医院(504人)と南方医科大学第三付属病院(249人)で手術を受けた進行胃癌患者のCT画像データを用いた。

 患者は全員、開腹術(1048人、53%)または腹腔鏡手術(930人、47%)を受け、術前にCT検査を行っていた。腹膜転移のリスクが低いステージT1の胃癌患者や、術前の補助化学療法(ネオアジュバント)を受けた患者は評価から除外した。術前のCT画像では放射線科医が腹膜転移陰性と判定しており、術中には外科医が腹膜を精査し、転移が疑われた患者については、腹膜標本または腹水を採取して検査を依頼し、腹膜転移の有無を確認した。

 主要評価項目は、ROC曲線下面積と決定曲線解析による潜在性腹膜転移の予測精度とした。

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