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JAMA誌から
心不全のあるAF患者に使うべき薬はどちらか?
ジゴキシンとビソプロロールを使用した患者のQOLを比較する臨床試験

 英国Birmingham大学医学部のDipak Kotecha氏らは、心不全を有する永続性の心房細動(AF)患者を対象に、低用量ジゴキシンとβ遮断薬のビソプロロールを比較するオープンラベルのランダム化比較試験RATE-AFを実施し、治療開始から6カ月時点の患者のQOLに差はなく、治療薬の選択には、QOL以外の指標を用いた方がよいと報告した。結果はJAMA誌2020年12月22/29日号に掲載された。

 心不全が疑われる永続性心房細動の患者に対するレートコントロール治療には、β遮断薬が最も多く用いられている。しかし、2つの疾患を合併している患者に対して、β遮断薬が最も良い選択であることを示したエビデンスはわずかしかない。そこで著者らは、β遮断薬が心不全のあるAF患者のQOLに与える影響を、通常は第2選択薬とされるジゴキシンと比較することにした。

 The Rate Control Therapy Evaluation in Permanent Atrial Fibrillation(RATE-AF)試験は、2016~18年に英国の3病院とプライマリケア施設で参加者を募集した。組み入れ対象は、年齢60歳以上で、レートコントロール治療が必要と医師が考える永続性AF患者で、NYHAのクラスII以上に分類される息切れがあり、インフォームドコンセントの書面を提供できる患者とした。なお、この試験での永続性AFの定義は、抗不整脈薬、カルディオバージョン、アブレーションなどによるリズムコントロール治療では洞調律に戻らないため、レートコントロール治療を行うことに医師と患者が合意した場合と規定している。

 組み入れ除外対象は、6カ月以内に心筋梗塞を起こした患者、ビソプロロールやジゴキシンの禁忌に該当する患者、心拍数が60回/分未満の患者、房室ブロックや他の不整脈がある患者、ペースメーカー使用者、心筋症・心筋炎や心膜炎がある患者、3カ月以内に大手術を受けた患者など。

 条件を満たした患者は、1対1の割合でジゴキシン群とビソプロロール群にランダムに割り付けた。modified European Heart Rhythm Association(EHRA)分類による重症度と、性別には両群に偏りが出ないようにした。

 主要評価項目は、割り付けから6カ月後の時点で評価したSF-36の身体的側面(SF-36 PCS)のサマリースコア(スコア幅は0~100で、高スコアほどQOLは良好、臨床的に意義のある最低限の差は0.5SD)とした。副次評価項目は、6カ月後と12カ月後のSF-36スコア、EuroQoL-5Dスコア、modified EHRAスコア、NT-proBNP値、心拍数、24時間心電図検査、6分間歩行距離、などとした。

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