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JAMA Network Open誌から
健康的な食事で勃起障害のリスクが22%減る?
大規模コホート研究を利用して食生活の健康度スコアが高い人と低い人を比較

 米国California大学San Francisco校のScott R. Bauer氏らは、1986年から開始されたHealth Professionals Follow-up Studyのデータを利用して、勃起障害(ED)の発症リスクと食生活の内容に関連が見られるかを検討し、食生活のスコアが高い健康的なグループは、低いグループよりもEDの発症率が低かったと報告した。結果は2020年11月13日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 EDの修正可能な危険因子として、喫煙、肥満、座位時間が長い、糖尿病、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームなどが報告されているが、それらの多くが心血管疾患の危険因子でもある。実際に、ED患者はその後心血管イベントを経験するリスクが高いことが報告されている。心血管リスクが高い人々には、実際に食生活を改善するライフスタイル介入が行われているが、この介入によりEDのリスクも下がるのかどうかは明らかではなかった。食事の質がEDリスクと関係するのであれば、特に若い男性の食生活改善の動機になる可能性がある。そこで著者らは、健康的な食事のパターンの順守度とEDの関係を、大規模なコホート研究のデータを利用して検討することにした。

 米国National Cancer Instituteの支援で1986人に開始されたHealth Professionals Follow-up Studyは、歯科医や薬剤師など男性の医療従事者を対象に、食生活や栄養状態と癌・心血管疾患・脳血管疾患などの発症リスクを調べる大規模コホート研究だ。同様に女性を対象にしたNurses'Health Studyとともにしばしば引用される。試験参加者は4年ごとに食品摂取頻度調査に回答し、2年ごとに健康状態、ライフスタイル、服薬状況に関する質問票に回答している。

 勃起能力に関する質問は2000年から追加され、2004年、2008年、2012年も行った。治療なしで性行為に必要な状態を維持できるかどうか、という質問に対して、大いに困難、困難、微妙、可能、大いに可能の中から回答を選択するよう依頼した。2000年の調査では、1986年より前、1986~1989年、1990~1994年、1995年以降、過去3カ月の状態も回答してもらった。2004年、2008年、2012年には、現状のみを質問した。可能または大いに可能と回答していた人が、その後の調査で困難または大いに困難と回答した場合に、ED発症と判定した。

 主要評価項目はED発症とし、食生活の健康度との関係を検討した。食生活の健康度は、Mediterranean Dietスコア(MDS)と、Alternative Healthy Eating Index 2010(AHEI-2010)スコアを用いて評価した。2通りの食生活スコアは、1998年の食品摂取頻度調査の回答から算出を始め、その後の回答のスコアと累積平均点を計算した。追跡はED発症、心血管疾患発症、泌尿生殖器癌発症、死亡、連絡不能、最終予定日(2014年1月1日)のいずれかまで行った。

 MDSスコアは、野菜、豆類、果物とナッツ、穀類、魚貝類、飽和脂肪酸に対する多価不飽和脂肪酸の比が集団の中央値より高ければ1点、赤身肉、加工肉の摂取量が中央値より低ければそれぞれ1点、アルコール摂取量が10gから50g/日なら1点とし、スコアを合計した。スコア幅は0~9点の範囲で、0~3点なら地中海食順守度は低い、4~5点は中等度、6~9点は高いとした。

 AHEI-2010は、11アイテム、すなわち、果物、野菜、全粒穀物、ナッツと豆、多価不飽和脂肪酸、ω-3脂肪酸の摂取が多いほど、また、アルコール摂取量は適度(0.5-2ドリンク/日)で、赤身肉と加工肉、加糖飲料、トランス脂肪酸、塩分の摂取は少ないほど、スコアが高くなる。アイテムごとに摂取量に応じて順守度0~10の範囲でスコアを決定し、合計すると、総スコアは0~110の範囲になる。総スコアに基づいて、対象者を五分位群に層別化した。

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