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JAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌から
高齢の口腔咽頭癌患者に対する治療法は?
経口ロボット支援手術と術後補助療法の成績は良好

 米国Pennsylvania大学のHarman S. Parhar氏らは、高齢のヒトパピローマウイルス(HPV)関連口腔咽頭癌患者に対して、経口ロボット支援手術を先行し、病理学的特性に基づいて選択した術後補助療法を適用した場合のアウトカムを評価するための後ろ向きコホート研究を実施し、この方法を用いれば、生存利益が得られ、化学療法が必要な患者を絞り込むことができると報告した。結果は2020年10月29日にJAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌電子版に掲載された。

 近年、高齢者のHPV関連口腔咽頭癌の発生率が上昇しているが、高齢のHPV関連口腔咽頭癌患者に対する最適な治療法については議論が続いている。この年代の患者が臨床試験に登録されることは少ないため、エビデンスベースの情報は少ない。さらに、併存疾患を複数保有する患者が多く、化学療法の毒性はしばしば、得られる生存利益を上回る可能性がある。

 この10年間でロボット支援手術による癌治療の成績が良好であるという報告が増えたため、著者らは高齢者の口腔咽頭癌に対しても最初にロボット支援手術を行い、その後に病理特性に応じた補助療法を追加することで、周術期の死亡率を減らし、化学療法が必要な患者を減らすことができるという仮説を検証することにした。

 後ろ向きコホート研究の対象者は、生検によりHPV関連口腔咽頭癌の診断が確認された70歳以上の患者で、2010年1月1日から2017年12月30日までに同大学の医療センターで、ロボット支援手術による初回治療を受けた人とした。術後は生検結果に基づいて必要に応じた補助療法を受けている。全員術後から最短でも2年間追跡を行った。HPV陰性の癌患者は除外した。

 患者は、経口ロボット支援口腔咽頭腫瘍切除術と、同側または両側の頸部切開術を同時に、または段階的に行い、術後に再度術後補助療法に関する検討を行って、病理学的特性に基づいて選択した治療を実施した。術後の放射線治療の対象者は、転移リンパ節が2つ以上見つかった患者、神経周囲への浸潤が認められた患者、脈管侵襲があった患者、pT3またはpT4疾患だった患者とした。化学放射線治療の対象者は、断端陽性者、6つ以上のリンパ節が転移陽性だった患者、または被膜外浸潤陽性者とした。禁忌でなければ、化学療法にはシスプラチンを用いた。

 主要評価項目は、3年間の口腔咽頭癌特異的生存率、全生存率、無病生存率、術後補助療法(放射線治療と放射線化学療法)の適用率、周術期の合併症の発生率とした。共変数は、年齢、性別、喫煙、併存疾患、腫瘍の部位やステージ、病理報告、腫瘍の広がりなどの手術関連情報を調べた。

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