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JAMA Network Open誌から
精度99%を超える子宮体癌スクリーニング法
血液メタボローム解析によるアンサンブル機械学習モデルの構築

 イタリアSalerno大学のJacopo Troisi氏らは、乾燥血液をガスクロマトグラフィー質量分析計にかけて得られる血液メタボローム(代謝物)解析データを利用したアンサンブル機械学習(EML)モデルを構築し、ホルモン補充療法を受けていない閉経後女性の子宮体癌の診断精度は99%だったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に2020年9月28日に掲載された。

 近年、子宮体癌患者が増加しているが、その原因は主に、危険因子である肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの保有率の上昇にあると考えられている。5年生存率は、ステージIなら85%だが、ステージIVになると25%に低下する。にもかかわらず、子宮体癌患者の約20%は既に進行した状態で診断されている。現時点で利用できる、細胞診や、内膜厚を指標とする子宮体癌検査の精度は十分ではなく、実施率は高くない。ゆえに、早期発見に結びつく、安価で高精度、かつ侵襲性の低いスクリーニング法が求められている。

 著者らは先に、血清メタボロミック・シグネチャが、子宮体癌患者と健康な女性、または、他の子宮内膜疾患を区別するために役立つことを発見した。今回は、閉経女性からなる大規模な集団を対象として、メタボロミック・シグネチャに基づく子宮体癌スクリーニングのためのアルゴリズムを構築し、臨床的な検証を行った。

 訓練コホートと検証コホートの2コホートを対象に診断学的研究を行った。訓練コホートは、FIGO(International Federation of Gynecology and Obstetrics)ステージがI-IIIの子宮体癌と診断された女性50人と、条件(、年齢、閉経からの年数、喫煙習慣、併存疾患)がマッチする、子宮体癌ではないコントロールの女性70人とした。

 検証コホートは、子宮体癌があるかどうかが不明の閉経女性で、年齢は50歳から80歳まで、ホルモン補充療法を受けておらず、あらゆる癌の病歴を持たない、などの条件を満たした人々とし、スクリーニングの精度を調べることにした。EMLモデルによってスクリーニング陽性と判定された女性には、子宮内膜生検を行って組織学的に子宮体癌の診断を行った。陰性だった女性は12カ月間にわたって追跡し、子宮体癌の徴候の有無を観察した。徴候が見られた女性には、超音波検査や子宮鏡検査などを実施した。

 どちらのコホートについても、年齢、人種、体重、身長、腹囲、喫煙習慣、飲酒習慣、心拍数、血圧、現在までの就労状態、処方薬の使用、子宮からの異常出血の有無、婦人科疾患の既往歴などの情報を収集した。

 主要評価項目は、血液メタボローム解析に基づく子宮体癌の有無に設定した。識別能力の指標は、感度、特異度、陽性予測値、陰性予測値、精度とした。

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