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JAMA Network Open誌から
睡眠は短くても長くても認知機能低下に関連
英国と中国の大規模な高齢者コホートのデータを分析

 中国北京大学のYanjun Ma氏らは、睡眠時間と認知機能の関係を調べるために、英国と中国の高齢者を代表する2つのコホート研究のデータをプール解析し、夜の睡眠時間が7時間の人に比べ、4時間以下または10時間以上の人は認知機能低下リスクが高かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に2020年9月21日に掲載された。

 先進国では、人口に占める高齢者の割合が上昇している。それとともに、認知症または認知機能障害の患者も増えているが、有効性の高い認知症治療薬はいまだ利用できないため、認知症を予防する方法が求められている。認知症予防策を考案するためには、まず、認知症の危険因子について分析する必要がある。

 高齢者の睡眠と認知機能の間に強力な関係があることが報告されている。しかし、これまでに行われたコホート研究では、ベースラインの睡眠時間とその後の認知機能低下の関係について、結論が異なっていた。分析対象にした人数が少なかったこともその一因であると考えた著者らは、英国と中国の大規模な2つの高齢者コホートを対象とする分析を行うことにした。

 対象にしたのは、住民ベースのEnglish Longitudinal Study of Aging(ELSA)の第4波(2008~09年)から第8波(2016年~17年)に参加した50歳以上の人々のデータと、China Health and Retirement Longitudinal Study(CHARLS)の第1波から第3波(2011~15年)に参加した45歳以上の人で、合計2万8756人のデータを調べることにした。

 ベースラインの対面調査で1晩当たりの睡眠時間を尋ねて、以下の7群に層別化した。4時間以下、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間以上。

 主要評価項目は、記憶、実行機能、見当識からなる全般認知機能のzスコアに設定した。具体的には、即時再生および遅延再生テスト、動物名想起テスト(英国のみ)もしくはシリアル7課題(100から7を引いていく試験、中国のみ)と、重なった五角形模写課題、および見当識を評価する質問(今日が何曜日か、何日か、今は何月か、何年か)を行って評価した。それぞれのスコアからベースラインのスコアを引き算し、標準偏差で割って、zスコアを求めた。個々の評価指標のzスコアの平均を算出し、全般認知機能のzスコアとした。

 共変数として、性別、年齢、BMI、収縮期血圧、学歴、CES-D(うつ病自己評価尺度)スコア、共同生活者の有無、喫煙習慣、飲酒習慣、糖尿病、自己申告された冠疾患歴、脳卒中、癌、慢性肺疾患、喘息などに関する情報を得た。

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