日経メディカルのロゴ画像

JAMA Network Open誌から
ツツガムシ病にはどの抗菌薬がお勧めか?
抗菌薬の有効性と安全性を比較したネットワークメタアナリシス

 中国昆明医科大学のJiaru Yang氏らは、ツツガムシ病の治療に用いられる主な抗菌薬の有効性と安全性を比較するためのネットワークメタアナリシスを行い、薬剤間の成績に有意差はなかったが、投与から解熱までの時間はクラリスロマイシンが短かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に2020年8月28日に掲載された。

 ツツガムシ病のリケッチアを保有するダニに刺咬されると、5~14日後に、刺咬部位の反応に加えて、発熱、頭痛、筋肉痛、咳、全身性のリンパ節腫脹、悪心、嘔吐、腹痛などが現れる。最も多いのが発熱と頭痛で、発熱は95%超に見られるという報告がある。早期に適切な治療を受けられないと、間質性肺炎、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、髄膜脳炎、急性腎障害、播種性血管内凝固(DIC)などを起こし、死亡する患者もいる。

 ワクチンがなく、抗菌薬が唯一の治療手段で、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、アジスロマイシンなどの抗菌薬が用いられているが、それらの有効性と安全性を比較する研究は十分に行われていなかった。

 そこで著者らは、ツツガムシ病の治療に用いられる抗菌薬のどれが、ツツガムシリケッチアの排除において、また解熱において最も有効で安全かを比較し、順位付けするために、ネットワークメタアナリシスを行うことにした。

 2019年7月12日までにPubMedとEmbaseに登録されていた文献の中から、ツツガムシ病と診断された患者に対する抗菌薬治療について評価していたランダム化比較試験(RCT)と後ろ向き研究を抽出した。患者の症状と臨床検査結果から診断が確定しており、患者の年齢と性別、患者総数、特定の抗菌薬で治療を受けた患者数、治療が成功して完全に治癒した患者数について報告していた論文をネットワークメタアナリシスに組み込むこととした。

 主要評価項目は抗菌薬の有効性とし、治療によって完全に治癒した患者の割合を比較した。副次評価項目は安全性とし、治療中または治療後の抗菌薬関連の有害事象を経験した患者の割合を比較した。発熱が最も多く見られる症状であり、治療効果の評価において強力な指標であるため、抗菌薬の使用開始から解熱までの時間も比較することにした。解熱時間は平均偏差(MD)を用いて、Pスコアで評価した(0から1の範囲で表し、数字が大きいほど良好な治療)。

この記事を読んでいる人におすすめ