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JAMA Network Open誌から
ビスフェノールA曝露は総死亡リスクを増やす
米国国民健康栄養調査を利用して尿中濃度と死亡率の関係を検討

 米国Iowa大学のWei Bao氏らは、国民健康栄養調査(NHANES)参加者の尿サンプルを用いて、内分泌かく乱物質とされるビスフェノールA(BPA)の濃度を測定し、中央値9.6年の追跡で、尿中BPA濃度が高いグループは低いグループに比べ死亡リスクが高かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に2020年8月17日に掲載された。

 BPAはプラスチックやエポキシ樹脂を製造する際に生成される産業化学物質で、日常生活のあらゆる場面でBPAに曝露する機会があり、米国人に尿検査を行うと標本の9割以上から検出可能だという。動物実験では内分泌かく乱効果があり、代謝を阻害して、肥満、不整脈、動脈硬化などを起こすことが報告されているが、人体への長期的な影響を調べたプロスペクティブなコホート研究はほとんどなかった。また、人体の様々な臓器や組織に悪影響を及ぼす可能性が示唆されているが、死亡率に影響するかは不明だった。

 そこで著者らは、BPA曝露と総死亡率、および死因別死亡率の関係を検討することにした。対象は2003年から2008年にNHANESに参加した20歳以上の成人で、尿検査用のサンプルを採取しBPA濃度測定が可能だった人。NHANES Public-Use Linked Mortality Fileを利用して2015年12月31日まで参加者の死亡データがあるかどうかを追跡した。ベースラインで心血管疾患または癌だった患者は除外した。

 尿中BPA濃度は、オンライン固相抽出法と液体クロマトグラフィー/アイソトープ希釈タンデム質量分析法を用いて測定した。

 主要評価項目は、総死亡率、心血管死亡率、癌死亡率に設定した。共変数として年齢、性別、民族、教育レベル、世帯収入、喫煙や飲酒の状態、身体活動度、食事の摂取量を質問票を用いて調べた。

 NHANES参加者3883人を分析の対象とした。加重平均年齢は43.6歳で、51.4%が女性だった。追跡期間の中央値は9.6年、最長は13.1年になった。3万6514人・年の追跡で344人が死亡しており、うち71人は心血管疾患死亡、75人は癌死亡だった。

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