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JAMA Intern Med誌から
癌治療薬の多くは試験デザインに問題あり
2014~19年に承認された薬の大半に臨床試験の弱点が見つかる

 米国Mississippi大学医療センターのTalal Hilal氏らは、2014~19年に米食品医薬品局(FDA)が承認した癌治療薬の臨床試験データについて、ランダム化・全生存期間・クロスオーバー・対照群の4つの観点が最適化されているかを再検討し、承認薬の3分の2で試験デザインの弱点が見つかったと報告した。結果はJAMA Intern Med誌電子版に2020年6月15日に掲載された。

 癌の臨床試験は様々な制約を受けるため、理想的な臨床試験を実施することが難しい。著者らが注目したのは、以下の4つの問題だ。1)ランダム化比較試験(RCT)を実施できていない、2)RCTで全生存期間の延長を示せていない、3)試験当時に最適の標準治療と考えられていた方法をRCTの対照群にしていない、4)クロスオーバーの手法が不適切で、本当に治験薬が優れているとは限らない。

 検討の対象は、2014年6月30日から2019年7月31日までに、成人患者を対象として、FDAから新規承認または適応拡大承認を得た全ての癌治療薬。National Clinical Trial identifierを用いて承認のベースとなった臨床試験を同定し、個々の試験デザインはPubMedを用いて確認した。

 対照群の標準治療は、臨床試験が始まる1年前のNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)ガイドラインを参照した。クロスオーバーを行う試験の場合、適切と見なされるのは、第2選択薬またはそれ以降の選択薬の有効性がRCTで示されているかFDAの承認を受けている場合、または試験開始前1年以内に標準治療となっていた場合とした。有害事象で対照群の全生存期間が短くなった可能性が考えられるデザインは、不適切とした。

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