日経メディカルのロゴ画像

JAMA Network Open誌から
HbA1cによる膵臓癌スクリーニングは困難
検査値が高い群ほどリスクは大きい傾向を示すが閾値は不明

 米国Kaiser Permanente Los Angeles Medical CenterのBechien U. Wu氏らは、膵臓癌の発症リスク予測にHbA1c値が役立つかどうかを検討する大規模コホート研究を行い、少なくともHbA1c値単独では、膵臓癌のリスクが高い人を同定するのは困難だと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に2020年6月12日に掲載された。

 膵臓癌は見つかった時点で既にステージが進行していることが多く、米国での5年生存率は10%を下回っている。アウトカムの改善には早期発見が望ましいが、他の癌に比べ有病率が低く、地域住民を対象にしたスクリーニングは推奨されていない。そのため、ハイリスク集団に焦点を絞ってスクリーニングする方法が有望だと考えられている。

 膵臓癌患者では、診断の最長36カ月前から高血糖が見られたと報告されている。また、50歳を超えてからの糖尿病発症は、未診断の膵臓癌のマーカーである可能性が示され、注目が集まっていた。高血糖、糖尿病、膵管腺癌を含む膵臓癌の関係について理解を深めることは、早期発見方法を開発するために重要と考えられた。

 そこで著者らは、約460万人の保険加入者がいるKaiser Permanente Southern California(KPSC)のデータを用いた大規模コホート研究を計画した。組み入れ対象は、2010年1月1日~2014年12月31日までに、KPSCの施設で少なくとも1回以上HbA1cを測定していた50~84歳の加入者。条件を満たした参加者は、HbA1cの検査値に応じて、6.1%、6.3%、6.5%、6.7%を閾値とする4段階のコホートに層別化した(EGH群)。

 次にEGHコホート参加者のうち、2000年まで遡っても糖尿病の病歴がない患者を抽出したDECコホートを設定した。最後に、高血糖が新規発症した場合の影響を調べるために、高血糖コホート(IHC)を設けた。条件は、組み入れ前の18カ月以内に検査した時には、HbA1cは正常域にあった人とした。EGHコホート4種類、DECコホート4種類、IHCコホート4種類で、合計12種類のコホートを設定した。

 これらのコホート参加者を2017年12月31日まで追跡して、KPSCの癌登録とカリフォルニア州の死亡統計で膵臓癌を発症した患者を同定し、各コホートの膵臓癌のリスクを比較することにした。KPSCの癌登録では病理組織検査コードから膵管腺癌を特定できたが、死亡統計では病理組織情報は得られなかった。

この記事を読んでいる人におすすめ