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JAMA誌から
骨折手術の感染予防に陰圧閉鎖療法は有用か?
英国の下肢骨折患者のRCTで深部手術部位感染症に有意差なし

 英国Oxford大学のMatthew L. Costa氏らは、外傷による下肢骨折の手術を受ける患者に陰圧閉鎖療法を適用すれば深部手術部位感染症を減らせるかどうかを調べるため、標準的なドレッシング材を適用した場合を対照にしたランダム化比較試験を行い、アウトカムに差はなかったと報告した。結果はJAMA誌2020年2月11日号に掲載された。

 外傷による下肢骨折手術を受けた患者は、外傷に対する炎症反応や、骨折部位近傍の軟組織の広汎な損傷などにより、深部手術部位感染症のリスクが上昇している可能性がある。創傷管理のための新技術である陰圧閉鎖療法は、ある種の手術を受けた患者において、切開創の感染を減らすことが示されていた。そこで著者らは、標準的なドレッシング材を用いた場合と、陰圧閉鎖療法を適用した場合のアウトカムを比較するRCTを計画した。

 対象はUK Major Trauma Networkに参加している24病院を、受傷から72時間以内に受診した16歳以上の患者で、外傷による下肢骨折のために手術が必要になり、術後に創傷部を閉鎖する術式の治療を受けた場合。認知症があるなど質問票に回答できない患者や、術後に創傷部を開放する術式の治療を受けた患者は除外した。

 条件を満たした患者は1対1の割合で陰圧閉鎖療法群と標準治療群に割り付けた。層別化した条件は、手術を受けた外傷センター、Injury Severity Scoreが15未満か16以上か、開放骨折か閉鎖骨折か(開放骨折の場合はデブリドマンなどにより創傷部を閉鎖できる症例のみを組み入れ)。

 参加者は全身麻酔または局所麻酔で標準的な手術を受け、被覆方法以外の術後ケアは両群とも同じにした。陰圧閉鎖療法群の患者は、複数の素材で作られた特殊なドレッシング材で被覆してミニポンプに接続し、-80mmHgの陰圧をかけた。標準治療群は各外傷センターが使用している滅菌した被覆材を用いた。被覆材は見た目が違うため、患者も外科医もブラインドにはできず、割り付けを知らない研究者が評価を担当した。

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