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JAMA Pediatrics誌から
CRPは新生児の遅発型感染症の診断を助けない
結果が陽性でも診断確定に近づかず、陰性でも除外できない

 出生から72時間を過ぎて発症する遅発型感染症は、早期に診断し、治療することが大切だ。英国York大学のJennifer Valeska Elli Brown氏らは、血清C反応性蛋白質(CRP)値の診断における有用性を検討する系統的レビューとメタ分析を実施したが、CRPの利用を支持する結果は得られなかった。詳細は、JAMA Pediatrics誌電子版に2020年2月3日に掲載された。

 遅発型感染症は、NICU(新生児集中治療室)入室患者に最も多く見られる深刻な合併症の1つだ。特に早産で産まれた場合は、死亡や合併症のリスク上昇や入院期間の延長にも関係する。脳性麻痺や視聴覚など神経発達的な有害事象に関連することも知られている。
 新生児の感染の臨床徴候は非特異的で、診断は遅れがちだ。血液培養は、結果が出るまでに24~48時間を要するが、治療の遅れは死亡率や合併症のリスクを増やす。しかし、感染が疑われる新生児全員に経験的な治療を行うと、不要な抗菌薬投与が増加し、薬剤耐性菌の出現を加速することになりかねない。また生後間もない時期に抗菌薬に曝露により、マイクロバイオームの発達に悪影響が及ぶ可能性も懸念される。

 血液培養に加えて、遅発型感染症の診断に利用できるバイオマーカーを探索する中で、血清CRPは有望と考えられていた。しかし、現時点では、遅発性感染症の診断アルゴリズムにどう組み入れれば有効なのかは明らかではない。著者らは、あらゆる在胎週数の新生児の遅発型感染症の診断における、血清CRP値と血液培養の正診率を比較していたコホート研究と横断的研究を対象として、系統的レビューとメタ分析を行い、CRPを利用した診断検査に関するエビデンスを評価した。

 MEDLINE(1946~2019年)、Embase(1946~2019年)、Science Citation Index(1900~2019年)に登録されていた研究の中から、条件を満たすものを選出した。個々の論文の引用文献や、関連する学会の抄録なども調べた。欠測データは、著者に連絡し請求した。生後72時間以内の早発型感染症を扱っていた研究では、遅発型感染症と区別して報告していた場合のみ組み入れ対象とした。診断の正確性を評価しにくい試験デザインなので、ケースコントロール研究は除外した。自宅や地域で新生児がケアされていて、その後に医療機関を受診した例を含む研究も除外した。


 主要評価項目は、遅発性感染症が疑われる患者に最初に用いる検査としての血清CRPの正診率に設定、階層サマリーROC曲線を作成し比較した。

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