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JAMA誌から
葉酸と亜鉛は男性の不妊治療を改善しない
不妊治療を希望するカップルの男性をランダム割り付けした臨床試験

 米国立小児保健発達研究所(NICHD)のEnrique F. Schisterman氏らは、不妊治療に取り組んでいるカップルの男性が葉酸と亜鉛のサプリメントを摂取すると、精液の質改善や子どもの出生率向上につながるかどうかを調べるランダム化比較試験(RCT)を行い、これらのサプリメントの使用は支持されなかったと報告した。結果は、JAMA誌2020年1月7日号に掲載された。

 葉酸と亜鉛は精子形成に必要な物質と考えられるため、男性不妊用のサプリメントのほとんどに含まれている。しかし、サプリメントの効果を調べた研究の多くは、参加者が30人未満の小規模なもので、結果も一致していなかった。そこで著者らは、より規模の大きいRCTでサプリメントの有効性を調べることにした。

 対象は、不妊治療のために米国内4カ所の研究施設(ソルトレークシティー、アイオワシティー、シカゴ、ミネアポリス)を訪れた、男性が18歳以上、女性が18~45歳のカップル。ドナー精子の提供や代理母などの方法を考えている場合、不妊の原因が無精子症など、サプリメントが無効と考えられる場合は除外した。心臓病や癌など、男性にコントロール不良の慢性疾患がある場合も組み入れから除外した。最寄りのクリニックで、排卵誘発法と子宮内精子注入法を用いた治療を受ける予定のカップルも組み入れた。

 条件を満たした不妊カップルの男性は、4カ所のうち受診した研究施設と、不妊治療の方法(体外授精法、その他の治療法、4施設以外での治療)に基づいて層別化し、1対1の割合でサプリメント群とプラセボ群のブロックにランダムに割り付けた。サプリメント群には1日に5mgの葉酸と30mgの亜鉛を、6カ月間服用してもらった。介入開始は、初回の不妊治療サイクルの、排卵期から最短でも4.5~6週前とした。これは精子形成のサイクルがおおよそ74日であることを考慮した設定だ。参加者の男性には、割り付け薬以外のサプリメントと、葉酸または亜鉛と相互作用する薬剤を使用しないように指示した。

 参加者は、ベースラインと割り付けから2、4、6カ月後に検査用の精液サンプルを採取した。カップルの女性は割り付けから9カ月後までと、さらに9カ月後まで出産に成功したかを追跡した。

 主要評価項目は、割り付けから9カ月以内の生児出生と、割り付けから6カ月後の精液の質(精子濃度、運動性、形態、精液量、精子DNA断片化率、総運動精子数)とした。副次評価項目は、妊娠検査陽性、子宮内の妊娠、異所性妊娠、多胎妊娠、早期の妊娠喪失、20週未満の流産とした。

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