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JAMA Network Open誌から
エスシタロプラムの治療効果を脳波で予測
個々の大うつ病患者に最適な抗うつ薬を脳波から予測する研究

 個々の大うつ病患者にとってどの抗うつ薬が最適かを治療開始前に知ることができれば、この疾患の負荷を大きく減らせる可能性がある。カナダSimon Fraser大学のAndrey Zhdanov氏らは、治療前の脳波の特徴を組み合わせれば、エスシタロプラムに対する患者の反応を予測できるのではないかと考えて、マシンラーニングを利用して脳波に基づく予測モデルを構築し、検査特性を報告した。研究の詳細は、JAMA Network Open誌電子版に2020年1月3日に掲載された。

 大うつ病に対する第1選択は抗うつ薬だが、最初に投与される薬剤によって寛解に至る患者の割合は30~40%に留まる。利益が得られなかった患者には治療薬の切り替えを行うが、これを繰り返しても、新たに寛解を達成できる患者の顕著な増加は期待できず、逆に徐々に少なくなることが示されている。うつ病患者は均一な集団ではなく、また、様々な抗うつ薬の作用機序が明瞭になっているわけでもないため、臨床医が個々の患者に適した薬剤を選ぶことは難しい。現在のところ医師たちは、試行錯誤を繰り返して、よいよい治療薬を同定しているが、この過程は時間を要する。その間患者は症状に苦しんでいる。

 抗うつ薬に対する患者の反応の予測において有用と期待されている生物学的要因の1つが脳波だ。これまでに、治療を始める前の安静時の脳波の特性が、抗うつ薬に対する臨床反応を予測する可能性が示されていた。たとえば後頭部のα波のパワー値が、フルオキセチンとアミトリプチリンに対する反応と関係すること、θ波の活性がイミプラミン、ベンラファキシン、一部のSSRIsに対する反応と関係すること、δ波の活性はイミプラミン、パロキセチンに対する反応と関係することが示されている。こうした情報は、安静時の脳波が抗うつ薬に対する反応の予測に利用できる可能性を示しているが、脳波を日常診療に利用する具体的な方法は提示されていなかった。

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