
米国Minnesota大学のAngela K. Birnbaum氏らは、プロスペクティブな多施設観察研究Maternal Outcomes and Neurodevelopmental Effect of Antiepilleptic Drugs(MONEAD)を行って、抗てんかん薬を使用している母親と産まれた子の抗てんかん薬血中濃度を測定し、乳児の血中濃度は母親よりも著しく低い場合が多かったため、悪影響は考えにくく母乳育児が支持されると報告した。結果は、JAMA Neurology誌電子版に2019年12月30日に掲載された。
抗てんかん薬の多くが、未熟な脳の神経細胞の発達に対して、アルコールと同様の有害な影響を及ぼすことが動物実験で示されている。しかし、抗てんかん薬に暴露する機会のの大半は、子宮内で胎盤経由の血液によるものと考えられる。母乳育児には母子双方の健康にメリットがあるため、米国小児科学会は生後6カ月間の母乳育児を推奨しているが、ほとんどの抗てんかん薬は、母親の血中濃度に比較して、どの程度が乳汁中に移行するのか調べられていなかった。
そこで著者らは、米国内の20施設で、抗てんかん薬による治療を受けている母親から産まれた子が6歳になるまで追跡を行う前向きコホート研究(MONEAD)を計画した。対象は、14