医療関連感染症を減らす対策の1つとして、病室を全て個室にするという戦略が推奨されている。カナダMcGill大学Health CentreのEmily G. McDonald氏らは、ケベック州の1病院が移転に際し、全室個室にしたことを受け、移転前後のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のコロニー形成率と、それらの院内感染発症率、およびクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の発生率を比較する時系列研究を行い、VREのコロニー形成と感染症、MRSAのコロニーは個室化により大きく減少するが、MRSAとCDによる感染症は減っていなかったと報告した。結果は、JAMA Intern Med誌電子版に2019年8月19日に掲載された。

 医療関連感染症は、しばしば多剤耐性菌によって引き起こされ、入院費用の上昇や医原性の害を引き起こす。Facility Guidelines Instituteの新医療施設設計のためのガイドラインは、2016年から、新施設はすべて個室化することを推奨しているが、そうした施設は高コストであり、全室個室化により医療関連感染症が減らせるかどうかは明らかではなかった。感染症の発症には、環境中の微生物のコロニー数の他に、広域抗菌薬の使用、施設の清

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