カナダToronto大学のBheeshma Ravi氏らは、オンタリオ州の医療保険データベースから股関節骨折を起こして治療を受けた患者の記録を調べるコホート研究を行い、手術時間が長いことと全身麻酔の適用が、術後せん妄リスク上昇に関連していたと報告した。結果は、JAMA Network Open誌電子版に2019年2月22日に報告された。

 高齢者は術後せん妄を起こしやすく、しかも成績不良につながる可能性が高いため、せん妄リスクは最小限にとどめたい。しかし、緊急手術の場合は、待期手術と違ってせん妄リスクを減らす対策を取ることができない。高齢者に対する緊急手術の原因として最も多いのが股関節部骨折で、高齢者の術後せん妄発症率は5~61%と報告されている。

 せん妄の機序は複雑で、十分には理解されていない。麻酔と手術に対する炎症反応は、脳血流に影響を及ぼす可能性があり、これらの影響はいずれも、手術時間が長引くほど大きくなると予想される。また、麻酔の影響は、投与ルートによっても異なると考えられる。そこで著者らは、手術時間、麻酔のタイプと術後せん妄のリスクの関係を検討することにした。

全身麻酔と長時間手術が術後せん妄を増やすの画像

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