腸内細菌叢には偏性嫌気性菌が多く含まれる。そこで嫌気的な環境下でドナーの便を処理すると便中細菌叢移植(FMT)の有効性が高まるのではないかと考えたオーストラリアQueen Elizabeth病院のSamuel P. Costello氏らは、活動性の潰瘍性大腸炎(UC)患者を対象に、嫌気的条件下で処理したドナー便と好気的条件下で処理した患者の自家移植便の治療効果を比較するランダム化対照試験を行い、嫌気処理したFMTの方が8週後の寛解率が高かったと報告した。結果はJAMA誌2019年1月15日号に掲載された。

 2013年以降にいくつかの研究で、FMTが難治性または再発性のC. diffcile感染症の治療に有効であることが報告された。これをきっかけとして、腸内細菌叢の関与が想定される他の疾患にもFMTの可能性が検討されるようになった。UCについては、3件の試験が、好気的に調整した便懸濁液を大量に移植する方法の有効性を示唆していた。

 一方、腸内細菌の多くは偏性嫌気性菌であり、酸素感受性は非常に高い。そのためドナー便を好気的な環境下で調整すると、嫌気性菌が減少したり死滅する可能性がある。著者らは、嫌気性の細菌の

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