乳癌手術後の乳房再建に、腹部や大腿から吸引した患者自身の脂肪組織を用いる自家脂肪移植(AFT)は、医師と患者の両方から、満足度の高い治療だと評価されているが、乳癌再発リスクに及ぼす影響が懸念されていた。オランダMaastricht大学病院のTodor Krastev氏らは、AFTを受けた患者と、条件をマッチさせた従来の乳房再建術を受けた患者や再建術を受けなかった患者の局所再発率を比較し、AFTから平均5年間の追跡で再発率に差はなかったと報告した。結果はJAMA Surgery誌電子版に2018年10月10日に掲載された。

 AFTは、手術後の乳房の変形を整えるだけでなく、手術創の見た目を改善し、放射線治療後の組織新生を促し、痛みを緩和するなど多くの利点がある。これは脂肪組織に含まれる幹細胞が活性化して、成長因子やサイトカインを放出し、組織再生や血管新生を促すためだと考えられている。この幹細胞の作用が、逆に元の癌があった部分の再発を促す恐れはないかという懸念を生むことになった。

 この疑問について、AFTを実施しない対照群を用いるランダム化対照試験で確認するのは非倫理的なため、患者の条件をマ

自家脂肪移植による乳房再建は死亡率を減らす?の画像

ログインして全文を読む