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JAMA誌から
固定用量配合剤はCVD患者の服薬遵守率を向上
収縮期血圧とLDL-Cも少ないながら有意に低下、RCTの結果

 心血管疾患CVD)患者に対してアスピリンスタチン降圧薬2剤からなる固定用量配合剤(FDC)を用いると、服薬遵守率が向上すること、収縮期血圧(SBP)とLDL-Cも、少ないながら有意に低下することが、ランダム化比較試験(RCT)の結果として示された。英Imperial College LondonのSimon Thom氏らが、JAMA誌2013年9月4日号に報告した。

 これまで幾つかの疾病領域における検討で、FDCを用いることで服薬遵守率が向上することが報告されている。しかし、FDCには各薬剤の用量調整ができないという問題もある。心血管疾患領域におけるFDCに関する試験はこれまでに行われていたが、短期間の有効性をプラセボまたは治療なしと比較したもので、薬剤を別々に処方した場合とFDCを処方した場合の有効性と安全性を比較した研究はなかった。

 そこで著者らは、CVD患者(冠疾患、虚血性脳血管疾患、末梢血管疾患の既往あり)またはCVDの5年リスクが15%以上のハイリスク者を対象として、有効性と安全性が確認されている既存の薬剤を組み合わせたFDCを、担当医による通常の処方と比較するRCT「UMPIRE」を実施した。

 PROBE(前向き・ランダム化・オープンラベル・エンドポイントブラインド)法を用いたUMPIRE試験は、インドと英国、アイルランド、オランダで、10年7月から11年7月に、条件を満たす18歳以上の患者2004人(うち1000人をインドで登録)を対象に実施された。追跡は、12年7月まで行った。

 参加者をランダムに1対1で、FDC群1002人(アスピリン75mg、シンバスタチン40mg、リシノプリル10mg、アテノロール50mgの併用、または、アスピリン75mg、シンバスタチン40mg、リシノプリル10mg、ヒドロクロロチアジド12.5mgの併用のいずれかを担当医が選択し、1日1回服用)、またはそれまで受けていた治療を継続する群(対照群、1002人)に割り付けた。

 主要転帰評価指標は、試験終了時の服薬遵守率(自己申告に基づいて、それぞれの処方薬剤の使用が、受診前週に4日以上の場合を「遵守」と定義)と、2つの主要な心血管危険因子(SBPとLDL-C)に設定し、Intention-to-treat分析した。

 登録された患者の88%はCVD患者だった。抗血小板薬を使用していた患者は全体の91.4%、スタチン使用は87.8%、降圧薬使用は92%だったが、2剤以上の降圧薬を使用していた患者は68.4%にとどまった。ベースラインにおける抗血小板薬、スタチン、2剤以上の降圧薬の服薬遵守率を推定したところ、登録患者全体では61.5%だった。

 ベースラインの血圧値の平均は137/78mmHg、LDL-Cの平均は91.5mg/dLだった。

 中央値15カ月(四分位範囲は12~18)の追跡終了時点で、FDC群の服薬遵守率は86.3%で、対照群の64.7%に比べて有意に高かった。未調整相対リスクは1.33(95%信頼区間1.26-1.41、P<0.001)、絶対差は21.6%(17.8-25.3、P<0.001)、治療必要数は4.6(4.0-5.6)だった。

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