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JAMA誌から
膵島関連自己抗体を複数持つ小児の6~8割が15歳までに1型糖尿病を発症
欧米のバースコホートのデータをプール解析した結果

 遺伝的に糖尿病発症リスクが高い小児の膵島関連自己抗体の保有率と、その後の1型糖尿病罹患について調べたところ、自己抗体を複数保有する小児の多くが1型糖尿病を発症することが明らかになった。自己抗体を3つ保有する小児では、8割が15歳までに糖尿病の診断を受けると推定された。独Helmholtz Zentrum MunchenのAnette G. Ziegler氏らが、JAMA誌2013年6月19日号に報告した。

 1型糖尿病の発症リスクは、膵島関連自己抗体の存在により、発症前に推定できる。しかし、自己抗体陽性の小児の中で、実際に1型糖尿病を発症する患者がどの程度いるのかは明らかになっていなかった。そこで著者らは、米コロラド州で行われたDAISY study(1993~2006年に登録)、フィンランドで行われたDIPP study(94~09年に登録)、ドイツで行われたBABYDIAB studyとBABYDIET study(89~06年に登録)という3件の前向きコホート研究のデータをプール解析した。

 これらの試験は全て、遺伝的に1型糖尿病リスクが高い小児(HLAのDR/DQのジェノタイプがハイリスクを示した、または両親のいずれかが1型糖尿病)を対象に、インスリングルタミン酸脱炭酸酵素65GAD65)、膵島細胞腫関連抗原IA2という3つの抗原に対する自己抗体の出現とその後の糖尿病発症を追跡した研究だ。定期的に血液を採取し、2回連続して膵島関連自己抗体が検出された時点で抗体陽性と判定した。

 主要転帰評価指標は、2つ以上の自己抗体を保有する小児の1型糖尿病の診断に設定。2次評価指標は、自己抗体を1つ保有する小児または1つも持たない小児の1型糖尿病の診断に設定した。

 分析対象となった患者は計1万3377人で、DAISY studyが1962人、DIPP studyが8597人、BABYDIAB studyおよびBABYDIET studyが2818人だった。

 分析対象のうち、1059人(7.9%)が膵島関連自己抗体を保有していた。このうち460人(43.4%)が女児だった。抗体陽性者のうち、428人が糖尿病を発症していた。自己抗体を持たない小児の糖尿病発症は25人だった。

 カプランマイヤー法を用いて推定した15歳までの1型糖尿病罹患リスクは、自己抗体を持たない小児は0.4%(0.2-0.6)、自己抗体を1つ持つ小児は12.7%(8.9-16.5)、2つ持つ小児は61.6%(53-70.2)、3つ持つ小児では79.1%(73.3-85)だった。

 自己抗体を複数保有していた585人の小児が抗体陽性になった年齢の中央値は2.1歳(四分位範囲は1.3~4.1)、その時点から中央値3.5年の追跡で、355人(60.7%)が糖尿病を発症しており、自己抗体を持たない小児と比較すると糖尿病のハザード比は395.6(263.2-594.4、P<0.001)になった。

 自己抗体陽性から10年以内の糖尿病発症リスクは、複数の自己抗体を保有する小児の中でも、3歳未満で抗体陽性になった患者の方が、3歳以上で陽性になった患者より高かった。10年以内の発症リスクはそれぞれ74.9%(69.7-80.1)と60.9%(51.5-70.3)で、ハザード比は1.65(1.30-2.09、P<0.001)だった。同様に、HLAのジェノタイプがDR3/DR4-DQ8の小児は、それ以外の小児に比べて1型糖尿病を発症しやすく、10年以内の発症リスクはそれぞれ76.6%(69.2-84.0)と66.2%(60.2-72.2)で、ハザード比は1.35(1.09-1.68、P=0.007)だった。また、女児の方が男児よりもリスクが高く、10年以内の発症リスクは74.8%(68.0-81.6)と65.7%(59.3-72.1)、ハザード比は1.28(1.04-1.58、P=0.02)だった。

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