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JAMA Intern Med誌から
筋骨格系疼痛の予後予測に3つの質問を加えると精度が向上
前向きコホート研究PROG-RESで精度を確認

 筋骨格系疼痛を訴える患者に対し、受診時に簡単な質問を3つ行い、その結果を医師自身の予後判定に加えると、6カ月後の転帰が良好か不良かの予測精度が向上することが、英Keele大学のChristian D. Mallen氏らの前向きコホート研究で示された。論文は、JAMA Internal Medicine誌2013年5月13日号に掲載された。

 プライマリケアを受診する患者の20~30%は筋骨格系の疼痛を訴える。筋骨格系疼痛としては、骨関節症非特異的脊椎痛、非炎症性の局所疼痛などが多く見られるが、プライマリケアにおいては深刻な原因が見つからない限り、診断が明らかにならないまま治療を受ける患者が少なくない。しかし、筋骨格系疼痛は、長期にわたる重症疼痛や身体障害を引き起こす可能性がある。

 このため約20年にわたって、疼痛部位に特異的な予後予測モデルが数多く構築されてきた。しかし、一般開業医による使用を想定して作られたこれらのモデルは、複数の理由から日常診療において広く使用されるようにはなっていない。

 著者らは、これらの部位特異的予後予測モデルに含まれている変数が重複していることから、共通する項目を集めて、プライマリケアでの使用に適した汎用性の高い簡便なモデルを作成しようと考えた。そのモデルが実際にプライマリケアを受診する高齢者の筋骨格系疼痛の予後予測精度を向上できるかどうかを確認するため、前向きコホート研究Prognosis Research Strategy(PROG-RES)を実施した。

 06年9月1日~07年3月31日に英国の一般開業医の診療所5カ所(一般開業医44人が勤務)を受診した、非炎症性筋骨格系疼痛を有する50歳以上の患者を分析対象とした。

 診察時に、医師は次の5つの質問を行った。

 1)現在ある痛みの持続期間(1カ月以上痛みを感じなかったのは今からどれくらい前かを聴取。回答は3カ月未満、または3カ月以上前に層別化)

 2)痛みの強度(スコア0を疼痛なしとして、10ポイントスケールで評価。回答は0~4、5~6、7~10に層別化)

 3)痛みが日常生活を妨げる程度(スコア0を影響なしとして、過去1カ月間の日常生活への影響を0~10ポイントで評価。回答は0~4、5~10に層別化)

 4)疼痛部位は1カ所か複数か(他にも痛む場所があるかを聴取。イエス/ノーで回答)

 5)2つの質問からなるうつスクリーニング(「過去1カ月間に、気分の落ち込み、憂うつ、絶望といった感情に悩んだか」と、「何事にも興味がわかない、楽しくない状態に悩んだか」を聴取。いずれもイエス/ノーで回答)

 さらに、この5つの質問への回答を踏まえ、一般開業医自身がその時点の予後判定を記録した(「この患者の疼痛は6カ月後にどうなっていると考えるか」という問いに対し、完全に回復/かなり改善/改善/変化なし/悪化/かなり悪化のいずれかを選択)。

 主要転帰評価指標は、6カ月後に患者に送付した質問票に対する回答に基づく改善とし、受診時の担当医の予後判定と比較した。

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