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JAMA誌から
マルチビタミン常用は癌の罹患リスクをわずかに下げる
男性医師約1万5000人を11年追跡した二重盲検無作為化試験の結果

 マルチビタミンを長期間常用すると、の罹患リスクが8%低下することが、米国の男性医師を対象とした大規模な二重盲検無作為化試験で分かった。米Harvard大学医学部のJ. Michael Gaziano氏らが、JAMA誌電子版に2012年10月17日に報告した。

 数あるサプリメントの中で最も広く利用されているものがマルチビタミンだ。米国の成人の少なくとも3分の1はマルチビタミンを使用している。これまでにも、マルチビタミンの使用とあらゆる癌や特定の癌の罹患率、死亡率の関係を調べた観察研究はあったが、一貫した結果は得られていなかった。

 著者らは、米国の男性医師を対象に実施したPhysicians’ Health Study IIから、今回は、癌の罹患や死亡とマルチビタミンの関係を分析した。

 マルチビタミンに関する二重盲検無作為化試験の対象になったのは、50歳以上の男性医師1万4641人(平均年齢64.3歳、平均BMI 26.0、現在喫煙者は3.6%)。1312人(9.0%)は癌の既往を持っていた。

 7317人がマルチビタミン、7324人が偽薬に割り付けられ、1997年から2011年6月1日まで追跡された。主要転帰評価指標は、皮膚癌(メラノーマ以外)を除くあらゆる癌の罹患とし、2次評価指標は前立腺癌、大腸癌、その他の部位特異的癌の罹患に設定した。

 追跡期間は、中央値も平均値も11.2年だった。服薬遵守率は、4年の時点でビタミン群が76.8%、偽薬群が77.1%(P=0.71)、試験終了時にはそれぞれ67.5%と67.1%(P=0.70)だった。

 16万4320人-年の追跡で、2669人が癌と診断された。前立腺癌が1373例、大腸癌が210例で、1人で複数の癌と診断された患者もいたが、今回の分析は初回の癌のみを対象とした。

 ビタミン群の男性のあらゆる癌の罹患リスクは、偽薬群に比べて有意に低かった。1000人-年当たりの罹患率は、ビタミン群が17.0、偽薬群が18.3で、ハザード比は0.92(95%信頼区間0.86-0.998、P=0.04)になった。

 癌全体の半数強を占めた前立腺癌の罹患率には差はなかった。ビタミン群が1000人-年当たり9.1、偽薬群が9.2で、ハザード比は0.98(0.88-1.09、P=0.76)。一方、前立腺癌以外の癌の罹患リスクはビタミン群で有意に低かった(ハザード比は0.88、0.79-0.98、P=0.02)。

 その他の部位特異的な癌の罹患率はいずれも有意差を示さなかった。大腸癌のハザード比は0.89(0.68-1.17、P=0.39)、肺癌は0.84(0.61-1.14、P=0.26)、膀胱癌は0.72(0.48-1.07、P=0.1)など。その他の部位特異的な癌についても有意差は見られなかった。

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