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JAMA誌から
ビタミンDサプリに成人の上気道感染の予防効果なし
月1回10~20万IUを18カ月間投与した二重盲検無作為化試験VIDARISの結果

 ビタミンDサプリメントの使用が上気道感染を予防できるかどうかを検証した二重盲検の無作為化試験で、ビタミンDを投与された成人の上気道感染の罹患率、重症度、症状の持続日数などは、偽薬投与群と有意差がないという結果が得られた。ニュージーランドOtago大学のDavid R. Murdoch氏らが、JAMA誌2012年10月3日号に報告した。

 ビタミンDは自然免疫と獲得免疫の両方に役割を果たすと考えられているが、感染症予防に役立つのかどうかは明らかではない。近年、ビタミンDが、好中球やマクロファージ、上皮細胞からの抗菌ペプチド、カテリシジンの分泌を誘導するという報告に高い関心が寄せられている。

 観察研究では、血清25-ヒドロキシビタミンD(25-OHD)濃度と上気道感染(URTI)の間に逆相関関係があると報告されているが、実際にビタミンDを投与して効果を調べた臨床試験では、一貫した結果は得られていなかった。

 著者らはビタミンD投与が健康な成人のURTIの罹患率と重症度に及ぼす影響を調べるために、10年2月から11年11月まで、ニュージーランドのChristchurchで二重盲検の無作為化試験VIDARISを実施した。

 18歳以上の健康な男女322人(平均年齢47歳、75%が女性)を登録。マルチビタミンに含まれている用量(1日用量が400 IU以下)を超えるビタミンDサプリメントを使用している人や、高カルシウム血症歴、腎結石症歴のある人、妊婦などは除外した。

 ビタミンD群(161人)には初回にビタミンD 20万IU(5mg)を経口投与し、1カ月後に再び20万IUを投与、それ以降は毎月1回10万IUを投与した。偽薬群(161人)には同様のタイミングで偽薬を投与し、両群とも18カ月間継続した。介入群の用量は、観察研究においてビタミンD摂取の利益が最大になった血清25-OHD値(40ng/mL)の達成を目指して選択したものだ。

 登録者には月1回の受診を依頼し、受診時にビタミンDまたは偽薬を投与すると共に、過去1カ月間のURTIエピソードの有無などを尋ねた。また、全員に対してURTI発生時には受診するように指示した。URTI発症者が自主的に受診した際には、鼻咽腔スワブを得てRT-PCRを行い、既知の呼吸器感染ウイルスの有無を検出。Wisconsin Upper Respiratory Symptom Survey 24(WURSS-24)を用いて重症度の評価も行った。発症患者については、2日続けて症状がない状態になるまで、連日WURSS-24を用いた評価を行った。1回のURTIの重症度は、発症から7日間のWURSS-24スコアの合計を用いて比較した。

 ベースラインと2カ月時、6カ月時、12カ月時、18カ月時の時点で採血し、血清25-OHD値と血漿カルシウム濃度を測定した。

 主要転帰評価指標は、URTIエピソードの発生件数、2次評価指標は、URTIの症状の継続日数、重症度、URTIによる欠勤日数、鼻咽腔スワブからのウイルス検出の有無とし、intention-to-treat分析した。

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